退職の完全ガイド
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退職を決めてから、退職後の手続きが終わるまでの流れを1ページにまとめました。いつ何をすればよいかを時系列で確認し、必要なところから詳しい記事や計算ツールに進めます。
退職までの全体像
- 1退職を決める退職の3〜6か月前
- 2退職を伝える退職の1〜3か月前
- 3退職届を書いて提出する退職日の1か月前まで
- 4引き継ぎと有給消化退職日の1か月前〜最終出社日
- 5退職後の手続き(保険・年金・税金)退職日の翌日〜14日以内
- 6失業保険を受け取る離職票が届いてから
- 7退職金を受け取る退職後1〜6か月
退職を決める
目安の時期:退職の3〜6か月前
いつ辞めるかを先に決めます。退職日が決まると、伝える期限・引き継ぎ・有給消化のスケジュールがすべて逆算できます。
- ・転職先を決めてから辞めるか、辞めてから探すかを決める
- ・賞与の支給日在籍要件を確認する(支給直後の退職が有利なことが多い)
- ・退職日を月末にするか月末前日にするかで社会保険料の扱いが変わる
退職を伝える
目安の時期:退職の1〜3か月前
直属の上司に口頭で伝えるのが基本です。法律上は2週間前で退職できますが、就業規則の定めに従うほうが円満に進みます。
- ・民法627条により、期間の定めのない雇用は申入れから2週間で退職できる
- ・就業規則で「1か月前」などと定められていることが多い
- ・有給を全部消化するなら、最終出社日から逆算してさらに早く伝える
退職届を書いて提出する
目安の時期:退職日の1か月前まで
退職届は退職を一方的に通知する書類で、原則として撤回できません。まだ相談段階なら「退職願」を使います。
- ・退職届と退職願は法的な意味が違う(届は撤回不可)
- ・理由は原則「一身上の都合」でよい。会社都合の場合は書き方に注意
- ・手書きでもパソコンでも可。封筒に入れて直属の上司に手渡すのが基本
引き継ぎと有給消化
目安の時期:退職日の1か月前〜最終出社日
引き継ぎは最終出社日までに終える必要があります。有給消化に入ると出社しないため、実質的な締切は退職日ではなく最終出社日です。
- ・年次有給休暇は労働基準法第39条による労働者の権利
- ・会社の時季変更権は、退職日以降に変更させることはできない
- ・引き継ぎ書を残し、後任と一緒に業務を回す期間を確保する
退職後の手続き(保険・年金・税金)
目安の時期:退職日の翌日〜14日以内
転職先がすぐに決まっていない場合、健康保険・年金・税金の手続きを自分で行います。期限が短いものがあるため、退職前に段取りしておきます。
- ・健康保険は「任意継続」「国民健康保険」「家族の扶養に入る」の3択
- ・任意継続は20日以内、国民健康保険は14日以内。任意継続は過ぎると加入できない
- ・国民年金への切替は退職の翌日から14日以内。失業なら特例免除が使える
- ・住民税は退職時期によって一括徴収か普通徴収に変わる
- ・病気やケガで働けないまま退職する場合は傷病手当金の継続給付を確認する
失業保険を受け取る
目安の時期:離職票が届いてから
ハローワークで求職の申込みをすると受給資格が決まります。自己都合の場合は待期7日間に加えて給付制限期間があります。
- ・受給資格は原則、離職日以前2年間に被保険者期間が通算12か月以上
- ・給付制限は令和7年4月1日以降の離職から原則1か月に短縮された
- ・早期に再就職すると再就職手当(支給残日数の60%または70%)が受けられる
退職金を受け取る
目安の時期:退職後1〜6か月
退職金は他の所得と分離して課税され、退職所得控除という大きな控除があります。勤続年数が長いほど税負担は軽くなります。
- ・退職所得控除は勤続20年まで年40万円、20年超は年70万円
- ・控除後の額をさらに2分の1にしてから税率を掛ける
- ・「退職所得の受給に関する申告書」を出さないと20.42%が源泉徴収される
- ・振込時期は就業規則の定めによる。退職の1〜2か月後の会社もある
- ・企業型DCに入っていた人は6か月以内に移換手続きが必要
定年・60歳以降の退職
定年前後の退職は、年金と雇用保険の給付が絡んで扱いが変わります。 65歳になるまでの老齢厚生年金と失業給付は同時に受けられず、 65歳の前後で受けられる給付そのものが切り替わります。
定年退職届の書き方
就業規則で定年が定められていれば法律上は退職届不要。会社が求める場合の書き方
定年後の再雇用と同日得喪
65歳までの継続雇用は原則として希望者全員。社会保険料を早く下げる手続き
70歳までの就業確保措置
65歳までは義務、70歳までは努力義務。何が変わるのかを比較
高年齢雇用継続給付
60歳以降に賃金が75%未満に下がったときの給付。令和7年4月から給付率が縮小
在職老齢年金
令和8年4月から基準額が51万円から65万円に。働きながら年金を受けるとき
年金と失業給付の調整
求職の申し込みで65歳になるまでの老齢厚生年金が全額停止。事後精算の仕組み
65歳の前と後、どちらで辞めるか
基本手当か高年齢求職者給付金か。数日の差で受けられる給付が変わります
高年齢求職者給付金
65歳以上で退職したときの一時金。受給期間の延長制度がない点に注意
退職の計算ツール
金額や日程は、公式資料に基づいて自動計算できます。すべて登録不要です。
辞めるか迷っている
退職の判断ナビ
辞めるか迷っている段階の診断です。8問に答えると、いまの状況が制度上どう扱われうるか、どこに相談できるか、在職中に何を確保しておくべきかがわかります。
失業保険はいくら?
失業保険 計算シミュレーション
年齢・退職理由・加入期間・月収から、基本手当日額・所定給付日数・受け取れる総額と受給スケジュールを自動計算します。
いつまでに伝える?
退職日・有給消化の逆算シミュレーター
希望の退職日から、退職を申し出る期限・最終出社日・有給消化の開始日を逆算します。土日と国民の祝日を除いて計算します。
税金はいくら引かれる?
退職金 手取り計算機
退職金の額と勤続年数から、退職所得控除額・所得税・住民税と手取り額を計算します。勤続5年以下の特例にも対応しています。
病気で働けないときは?
傷病手当金 計算シミュレーション
標準報酬月額から、傷病手当金の1日あたりの金額・通算1年6か月の支給期間・総額の目安を計算します。退職後も受け取れるかの判定にも対応しています。
早く決まるといくら?
再就職手当 計算機
基本手当日額・所定給付日数・支給残日数から、再就職手当の額を計算します。給付率70%と70%未満の分かれ目もその場でわかります。
有給は何日残ってる?
有給休暇の付与日数 計算機
勤続年数と週の所定労働日数から、年次有給休暇の付与日数と繰越を含めた残日数を計算します。パート・アルバイトの比例付与にも対応しています。
突然の解雇でいくら?
解雇予告手当 計算機
直前3か月の賃金総額と暦日数から平均賃金を求め、解雇予告手当の額を計算します。日給・時給の場合の最低保障とも自動で比べます。
定年後に賃金が下がった?
高年齢雇用継続給付 計算機
60歳到達時の賃金月額と現在の賃金から、高年齢雇用継続給付の支給額を計算します。令和7年4月の改正前後どちらの支給率にも対応しています。
状況に合わせて調べる
トラブルになったとき
賃金や書類の交付、返還の請求をめぐって話がまとまらない場合の考え方を、条文に沿って整理しています。
- 退職後に未払い残業代を請求できる期間(賃金は3年、退職手当は5年)
- 退職時の給与・貸与品の精算(請求があれば7日以内(労基法23条1項))
- 退職証明書は請求すればもらえる(労基法22条1項)
- 源泉徴収票がもらえないとき(税務署への不交付の届出)
- 研修費・資格取得費用の返還を求められたら(労基法16条)
- 退職を理由に損害賠償を請求されたら(民法627条1項・628条)
- 競業避止義務・秘密保持誓約書にサインを求められたら(不正競争防止法2条6項)
自分から辞めるのではない場合
解雇、退職勧奨、雇止め。会社側から切り出された場合に確認することを、条文とハローワークの公表資料から整理しています。
- 退職勧奨に応じる義務はない(解雇との違い)
- 解雇予告手当|30日前の予告と平均賃金(労基法20条・12条)
- 解雇が制限される期間(労基法19条・労契法16条)
- 有期契約の雇止め(労契法19条)
- 希望退職の募集・早期退職優遇制度に応じたとき(離職理由の分かれ目)
- 特定受給資格者・特定理由離職者の範囲(要件が1年・6か月に)
- 離職理由に納得できないとき(ハローワークが調査のうえ判定)
よくある質問
退職はいつまでに伝えればいいですか?
民法627条により、期間の定めのない雇用は解約の申入れから2週間の経過で退職できます。ただし就業規則で1か月前などと定めている会社が多く、円満に退職するなら就業規則に従うのが無難です。有給を全部消化したい場合は、最終出社日から逆算してさらに早く伝える必要があります。
退職後にやるべき手続きは何ですか?
転職先がすぐに決まっていない場合、健康保険の切替(任意継続・国民健康保険・家族の扶養の3択)、国民年金への切替(退職の翌日から14日以内)、住民税の納付方法の確認、失業保険の受給手続きが必要です。年内に再就職しない場合は確定申告も必要になります。
退職金と失業保険は両方もらえますか?
もらえます。退職金は勤務先から支払われるもの、失業保険は雇用保険から支給されるもので、制度が異なります。退職金を受け取っていることを理由に失業保険が減額されることはありません。
退職届と退職願はどちらを出すべきですか?
退職の意思が固まっているなら「退職届」、まだ相談段階で会社の承諾を求めるなら「退職願」です。退職届は一方的な通知のため原則として撤回できませんが、退職願は会社が承諾するまでは撤回できます。