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退職勧奨に応じる義務はない

面談に呼ばれて「そろそろ次を考えてはどうか」「このままでは厳しい」と言われる。 これが退職勧奨です。 解雇の通告のように受け取ってしまいがちですが、退職勧奨それ自体で雇用が終わることはありません。 応じるかどうかは本人が決められます。

このページで参照している法令・資料

解雇との違い

解雇は、使用者が一方的に労働契約を終了させる意思表示です。 労働契約法16条は、解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、 その権利を濫用したものとして、無効とすると定めています。

これに対して退職勧奨は、退職を促す働きかけです。 労働者が承諾して初めて合意による退職が成立します。 承諾しなければ雇用は続きます。

 退職勧奨解雇
性質会社が退職を促す働きかけ使用者が一方的に労働契約を終了させる意思表示
労働者の同意同意して初めて退職が成立する同意は不要
断った場合雇用は続く解雇の効力を争うことになる
主な法的な枠組み合意による労働契約の終了労働契約法16条(解雇権の濫用)、労働基準法19条・20条
請求できる証明書退職証明書(労基法22条1項)解雇理由証明書(労基法22条2項)

解雇であれば、予告や予告手当の扱いが問題になります。詳しくは解雇予告手当解雇が制限される期間をご覧ください。

その場で確認すること

1. これは解雇なのか、勧奨なのか

「辞めてほしい」なのか「解雇する」なのかを、はっきり確認します。解雇であれば、いつ付けの解雇なのか、予告手当の支払いがあるのかまで聞いてください

2. その場で返事をしない

退職に同意するかどうかは、持ち帰って検討して構いません。「考えさせてください」と伝えるだけで足ります

3. 経緯を記録する

日時、場所、同席者、言われた内容をメモに残します。書面やメールで提示されたものは保管してください

4. 条件が提示されたら書面でもらう

上乗せの支給や退職日について口頭で説明された場合は、書面での提示を求めます。離職理由をどう記載するのかもあわせて確認します

5. 離職証明書の記載を確認する

ハローワークは、離職証明書について離職前に本人が氏名を記載することになっているとしたうえで、離職理由等の記載内容も確認するよう案内しています

断ったにもかかわらず繰り返し面談を求められる、長時間にわたって説得されるといった状況になった場合は、 各都道府県労働局の総合労働相談コーナーに相談してください。相談は無料です。

応じた場合の離職理由

ハローワークが示す特定受給資格者の範囲には、 「解雇」等により離職した者の項目のひとつとして事業主から直接若しくは間接に退職するよう勧奨を受けたことにより離職した者が挙げられています。

ただし同じ項目に「従来から恒常的に設けられている『早期退職優遇制度』等に応募して離職した場合は、これに該当しない」という除外が明記されています。 募集型の制度に応募した場合の扱いは希望退職の募集・早期退職優遇制度に応じたときで整理しています。

特定受給資格者に当たると、基本手当の受給資格の要件や所定給付日数が変わります。 範囲の全体は特定受給資格者・特定理由離職者の範囲にまとめました。

退職届の書き方に注意する

退職勧奨に応じることにした場合でも、退職届の理由欄の書き方には注意してください。 「一身上の都合により」と書くと、自分の都合で辞めたという体裁になります。

会社都合の場合の書き方は会社都合の退職届の書き方で解説しています。 自己都合と会社都合で失業保険の扱いがどう変わるかは自己都合退職と会社都合退職の違いをご覧ください。

なお、ハローワークは受給資格の決定の際に離職理由も判定するとしたうえで、離職理由に異議がある場合(実際は、事業主からの退職勧奨であるにも関わらず、 自己都合退職とされている場合など)はハローワークに相談するよう案内しています。手順は離職理由に納得できないときにまとめました。

よくある質問

Q. 断ると解雇されるのではないですか?

勧奨を断ったことそのものを理由に解雇することは、 労働契約法16条が求める客観的に合理的な理由には結びつきにくいものです。 解雇を通告された場合は、労働基準法22条2項に基づいて解雇理由証明書を請求してください。 同項は、解雇の予告がされた日から退職の日までの間に請求があれば 遅滞なく交付しなければならないと定めています。

Q. 上乗せの支給を提示されました

金額、支払時期、離職理由をどう記載するかを書面で確認してください。 退職金の課税は退職所得として扱われ、勤続年数に応じた控除があります。 計算は退職所得控除の計算方法退職金 手取り計算機で確認できます。

Q. 有期契約なので更新しないと言われました

期間満了による契約終了は、解雇とも退職勧奨とも別の枠組みです。 労働契約法19条は、反復更新されてきた場合や更新を期待する合理的な理由がある場合について、 更新の申込みを拒絶することが客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当と認められないときは、 従前と同一の労働条件で申込みを承諾したものとみなすと定めています。詳しくは有期契約の雇止めをご覧ください。

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