離職理由に納得できないとき
離職票が届いて中身を見たら、退職勧奨を受けて辞めたはずなのに自己都合になっている。 こういうとき、会社の記載がそのまま確定するわけではありません。 判定するのはハローワークです。
このページで参照している資料
- ハローワーク 雇用保険の具体的な手続き
- ハローワーク 特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要
- 雇用保険法13条(基本手当の受給資格)・23条2項(特定受給資格者)
判定するのはハローワーク
ハローワーク「雇用保険の具体的な手続き」より
ハローワークでは、受給要件を満たしていることを確認した上で、受給資格の決定を行ないます。 このときに、離職理由についても判定します。 なお、離職理由に異議がある場合(実際は、事業主からの退職勧奨であるにも関わらず、 自己都合退職とされている場合など)は、ハローワークにご相談ください。 ハローワークにおいて、事実関係を調査のうえ、離職理由を判定します。
「事実関係を調査のうえ」と明記されています。 異議を伝えれば、労働者側の主張と会社側の主張の双方を確認する手続きになります。 そのため、自分の主張を裏づける資料を用意しておくことが実際上の分かれ目になります。
離職票が届く前に確認できる
ハローワークは離職の段階についてもこう案内しています。
できれば在職中に「雇用保険被保険者証」の有無を確認してください。 また、会社がハローワークに提出する「離職証明書」については、離職前に本人が氏名の記載をすることになっていますので、 離職理由等の記載内容についても確認してください。
署名を求められる場面が、記載内容を確認できる最初の機会です。 退職の手続きに追われているとそのまま署名してしまいがちですが、離職理由の欄がどうなっているかを読んでからにしてください。 納得できない場合は、その時点で会社に確認します。
離職票が届かない場合の進め方は離職票が届かない・もらえないときの対処法、交付を辞退できるかは転職先が決まっていても離職票は必要かをご覧ください。
そろえておく資料
状況によって、裏づけになる資料は変わります。
| 状況 | 用意するもの |
|---|---|
| 退職勧奨を受けたのに自己都合とされた | 面談の日時・場所・同席者・発言内容のメモ、退職を促すメールや書面、提示された条件の資料 |
| 賃金の未払いがあった | 給与明細、賃金規程、支払われなかった額と支払期日が分かる記録 |
| 労働条件が明示されたものと違った | 労働条件通知書・雇用契約書と、実際の勤務実態が分かる記録 |
| 長時間の時間外労働があった | タイムカードの控え、業務メールの送信時刻、入退館記録、シフト表 |
| ハラスメントを受けた | 日時と内容の記録、メールやチャットの保存、社内相談窓口へ申し出た記録 |
| 契約が更新されなかった | 労働契約書(更新条項の記載)、過去の更新履歴、更新を希望した意思が分かる記録 |
どの状況が制度上どう位置づけられるのかは特定受給資格者・特定理由離職者の範囲にハローワークの公表内容を全項目掲載しています。 自分の事情がどの項目に近いかを確認してから相談すると、話が早く進みます。
何が変わるのか
離職理由の判定は、次の3つに影響します。
- 受給資格の要件 : 原則は離職の日以前2年間に被保険者期間が通算12か月以上(雇用保険法13条1項)。 特定受給資格者・特定理由離職者は同条2項により1年間・6か月に読み替えられます
- 所定給付日数 : 特定受給資格者については同法23条1項が、年齢と算定基礎期間の区分に応じた日数を定めています
- 給付制限 : 自己都合退職の場合に設けられる待機の扱いが変わります
給付制限の仕組みは失業保険の給付制限、自己都合と会社都合の全体的な違いは自己都合退職と会社都合退職の違いで解説しています。受給額の目安は失業保険シミュレーターで試算できます。
よくある質問
Q. 退職届に「一身上の都合」と書いてしまいました
退職届の文言だけで離職理由が決まるわけではありませんが、 自分の都合で辞めたという材料にはなります。 その経緯を説明できる資料をそろえてハローワークに相談してください。 これから提出する場合の書き方は会社都合の退職届の書き方をご覧ください。
Q. 会社が事実と違う説明をしているようです
ハローワークは事実関係を調査したうえで判定するとしています。 労働基準法違反にあたる事実(賃金の未払い、時間外労働の上限規制違反など)が 含まれる場合は、労働基準監督署への相談も並行して検討してください。 未払い賃金の請求は退職後に未払い残業代を請求できる期間で解説しています。
Q. 解雇されたのに離職票の理由が違います
労働基準法22条2項に基づく解雇理由証明書が有力な資料になります。 請求できるのは解雇の予告がされた日から退職の日までの間で、 同項ただし書により、予告後に別の事由で退職した場合は 退職の日以後の交付を要しないとされています。請求の方法は退職証明書は請求すればもらえるをご覧ください。