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有期契約の雇止め

「契約期間が終わりなので更新はしません」と言われたとき、 期間が決まっている以上どうしようもないと考えてしまいがちです。 しかし労働契約法19条は、一定の場合について、更新の拒絶を無条件には認めていません。 自分がその場合に当たるかを確認するところから始めてください。

このページで参照している法令・資料

  • 労働契約法19条(有期労働契約の更新等)
  • 労働契約法18条1項・2項(無期労働契約への転換)
  • 労働契約法17条1項・2項(契約期間中の解雇等)
  • 民法628条(やむを得ない事由による雇用の解除)
  • ハローワーク 特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要

労働契約法19条の枠組み

19条は、まず対象となる有期労働契約を2つの類型で示しています。

1号

当該有期労働契約が過去に反復して更新されたことがあるものであって、その契約期間の満了時に当該有期労働契約を更新しないことにより当該有期労働契約を終了させることが、期間の定めのない労働契約を締結している労働者に解雇の意思表示をすることにより当該期間の定めのない労働契約を終了させることと社会通念上同視できると認められること。

2号

当該労働者において当該有期労働契約の契約期間の満了時に当該有期労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があるものであると認められること。

そのうえで、これらに該当する契約について契約期間が満了する日までの間に労働者が更新の申込みをした場合、 又は契約期間の満了後遅滞なく有期労働契約の締結の申込みをした場合であって、使用者がその申込みを拒絶することが客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないときは、使用者は従前の有期労働契約の内容である労働条件と同一の労働条件で その申込みを承諾したものとみなされます。

条文の構造上、労働者が更新の申込みをすることが組み込まれています。 更新を希望する場合は、その意思を記録が残る方法で伝えてください。 黙ったまま期間満了を迎えると、申込みがなかったことになりかねません。

17条・18条・19条の関係

条文場面内容
労働契約法17条契約期間中の解雇やむを得ない事由がある場合でなければ、契約期間が満了するまでの間に解雇することができない
労働契約法18条無期転換通算契約期間が5年を超える労働者が、現に締結している契約の期間が満了する日までに申込みをしたときは、使用者は承諾したものとみなされる
労働契約法19条雇止め一定の場合に、更新の申込みの拒絶が客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当でないときは、従前と同一の労働条件で承諾したものとみなされる

期間の途中で辞めさせられるのは17条、 期間満了時に更新されないのが19条です。 場面が違うので、混同しないようにしてください。 期間途中の解雇は解雇が制限される期間で扱っています。

なお18条2項は、契約と契約の間に「空白期間」がある場合の通算の扱いを定めています。 空白期間が6か月以上(直前に満了した契約期間が1年未満の場合は、その期間に2分の1を乗じて得た期間を 基礎として厚生労働省令で定める期間以上)であるときは、 その前に満了した契約期間は通算契約期間に算入されません。

自分から辞める場合

期間の定めがある契約で、期間の途中に自分から辞めたい場合は、 民法628条が「やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる」 と定めています。 ただし同条は、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは 相手方に対して損害賠償の責任を負うとも定めています。

期間の定めのない雇用(民法627条1項の2週間)とは条件が異なります。 進め方は契約社員・派遣社員の退職届、賠償を持ち出された場合は退職を理由に損害賠償を請求されたらをご覧ください。

失業保険での扱い

ハローワークが公表している範囲では、雇止めは次のように位置づけられています。

特定受給資格者の範囲に含まれるもの

  • 期間の定めのある労働契約の更新により3年以上引き続き雇用されるに至った場合において 当該労働契約が更新されないこととなったことにより離職した者
  • 期間の定めのある労働契約の締結に際し当該労働契約が更新されることが明示された場合において 当該労働契約が更新されないこととなったことにより離職した者(上記に該当する場合を除く)

特定理由離職者の範囲に含まれるもの

期間の定めのある労働契約の期間が満了し、かつ更新がないことにより離職した者 (更新を希望したにもかかわらず、更新についての合意が成立するに至らなかった場合に限る)。 ハローワークは補足として、契約更新条項が「契約の更新をする場合がある」とされている場合など、 契約の更新について明示はあるが確約まではない場合がこの基準に該当するとしています。

いずれも更新を希望したかどうかが要素になっています。 希望した事実が記録に残っているかを確認してください。 範囲の全体は特定受給資格者・特定理由離職者の範囲、離職理由に納得できない場合は離職理由に納得できないときをご覧ください。

確認しておく書類

  • 労働契約書・労働条件通知書(更新の有無、更新の判断基準の記載)
  • これまでの契約書の写し(何回更新されてきたか、通算の期間)
  • 更新の際のやり取り(口頭で「次も」と言われた記録を含む)
  • 更新を希望する意思を伝えたことが分かるもの

納得できない場合は、各都道府県労働局の総合労働相談コーナーに相談してください。相談は無料です。

よくある質問

Q. 無期転換を申し込むと雇止めされませんか?

労働契約法18条1項は、通算5年を超える労働者が現に締結している有期労働契約の契約期間が満了する日までの間に申込みをしたときは、使用者は承諾したものとみなすと定めています。 期限が条文に書かれているため、申込みの時期には注意してください。 不安がある場合は、申込みの前に総合労働相談コーナーで相談できます。

Q. 派遣社員の場合も同じですか?

派遣の場合、労働契約を結んでいるのは派遣元です。 派遣先での就業が終わることと、派遣元との労働契約が終了することは別なので、 どちらの話なのかを確認してください。手続きの流れは契約社員・派遣社員の退職届で解説しています。

Q. 更新しないと言われた時点で次を探すべきですか?

更新を求めることと、次を探すことは両立します。 在職中の転職活動の進め方は在職中に転職活動を進める方法、収入が途切れる期間の備えは退職してから転職活動をするときのリスクと備えをご覧ください。

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