再就職手当はいくら?計算方法と支給要件
再就職手当は、失業保険(基本手当)の受給資格が決まったあとに早期に再就職した場合に支給される、いわば「早期就職のお祝い金」です。残っている日数が多いほど受け取れる額も大きくなるため、就職のタイミングによっては数十万円の差が生まれます。ここではハローワークの公式資料に基づいて、計算方法と要件を整理します。
再就職手当の計算式
基本手当日額 × 支給残日数 × 給付率(70%または60%)
給付率は、就職日の前日時点で基本手当がどれだけ残っているかで決まります。
所定給付日数の3分の2以上を残して再就職 → 70%
所定給付日数の3分の1以上を残して再就職 → 60%
1円未満の端数は切り捨てられます。支給残日数が所定給付日数の3分の1に満たない場合、再就職手当は支給されません。
基本手当日額には上限額がある
再就職手当の計算に用いる基本手当日額には、失業保険そのものとは別に上限が設けられています。
- 離職時の年齢が60歳未満の方:6,745円
- 離職時の年齢が60歳以上65歳未満の方:5,454円
令和8年8月1日から令和9年7月31日までの額です。毎年8月1日に「毎月勤労統計」の平均給与額により改定されます。
基本手当日額がこの上限を超えている方は、上限額で再就職手当が計算されます。
給付率70%・60%になる支給残日数の早見表
| 所定給付日数 | 給付率60%(3分の1以上) | 給付率70%(3分の2以上) |
|---|---|---|
| 90日 | 30日以上 | 60日以上 |
| 120日 | 40日以上 | 80日以上 |
| 150日 | 50日以上 | 100日以上 |
| 180日 | 60日以上 | 120日以上 |
| 210日 | 70日以上 | 140日以上 |
| 240日 | 80日以上 | 160日以上 |
| 270日 | 90日以上 | 180日以上 |
| 300日 | 100日以上 | 200日以上 |
| 330日 | 110日以上 | 220日以上 |
| 360日 | 120日以上 | 240日以上 |
計算例
基本手当日額4,000円・所定給付日数90日の方が、給付制限期間中に就職した場合
支給残日数は90日(所定給付日数の3分の2以上)→ 給付率70%
4,000円 × 90日 × 70% = 252,000円
基本手当日額4,000円・所定給付日数270日の方が、受給資格決定日以後50日目に就職した場合
支給残日数は228日(3分の2以上)→ 給付率70%
4,000円 × 228日 × 70% = 638,400円
同じ方が、受給資格決定日以後100日目に就職した場合
支給残日数は178日(3分の1以上・3分の2未満)→ 給付率60%
4,000円 × 178日 × 60% = 427,200円
同じ条件でも、就職が50日遅れるだけで21万円以上の差が生まれます。再就職の時期を選べる状況なら、支給残日数が3分の2を下回る前に決めるのが有利です。
8つの支給要件(すべて満たす必要があります)
- 1受給手続き後、7日間の待期期間の満了後に就職、または事業を開始したこと
- 2就職日の前日までの失業の認定を受けたうえで、基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あること
- 3離職した前の事業主に再び就職したものでないこと。また、前の事業主と資本・資金・人事・取引面で密接な関わり合いがない事業主に就職したこと
- 4給付制限がある方は、求職申込みをしてから待期期間満了後1か月の期間内は、ハローワークまたは職業紹介事業者の紹介によって就職したものであること
- 51年を超えて勤務することが確実であること
- 6原則として、雇用保険の被保険者になっていること
- 7過去3年以内の就職について、再就職手当または常用就職支度手当の支給を受けたことがないこと
- 8受給資格決定(求職申込み)前から採用が内定していた事業主に雇用されたものでないこと
待期期間中に仕事などをして失業の状態でなかった日や、失業の認定を受けていない日は待期期間に含まれません。
給付制限がある人は「就職の経路」に注意
自己都合退職などで給付制限がある方は、待期期間満了後1か月の期間内に就職する場合、ハローワークまたは職業紹介事業者の紹介による就職でなければ対象になりません。この1か月を過ぎれば、知人の紹介や求人広告への応募で就職した場合も対象になります。
教育訓練を受けたことなどにより給付制限が解除された場合も、待期期間満了後1か月の期間内はハローワークまたは職業紹介事業者の紹介による就職であることが必要です。
なお、倒産・解雇等で給付制限がない方は、待期期間の経過後であれば就職の経路は問われません。自営を開始した場合も、給付制限がある方は待期期間満了後1か月を経過してからが対象です。
申請の方法と期限
再就職手当の支給申請書は、就職した日の翌日から1か月以内に提出します。本人の持参のほか、代理の方による提出や郵送も可能です。
就職日の前日までに必ず失業の認定を受けてください。この認定を受けていないと、支給残日数が確定せず要件を満たせません。
再就職後に賃金が下がったら「就業促進定着手当」
再就職手当を受給した方が再就職先に6か月以上雇用され、その6か月間の賃金が離職前の賃金より低い場合は、 「就業促進定着手当」を受けられます。再就職で収入が下がったケースを補う制度です。
よくある質問
再就職手当はいくらもらえますか?
「基本手当日額 × 支給残日数 × 給付率」で計算します。給付率は、所定給付日数の3分の2以上を残して再就職した場合は70%、3分の1以上を残した場合は60%です。1円未満の端数は切り捨てられます。なお再就職手当の計算に用いる基本手当日額には上限があり、離職時の年齢が60歳未満の方は6,745円、60歳以上65歳未満の方は5,454円です(令和8年8月1日~令和9年7月31日の額)。
自己都合で退職した場合も再就職手当をもらえますか?
もらえます。ただし給付制限がある方は、求職申込みをしてから待期期間満了後1か月の期間内に就職する場合、ハローワークまたは職業紹介事業者の紹介による就職であることが条件です。この1か月を過ぎれば、知人の紹介や求人広告への応募で就職した場合も対象になります。
再就職手当の申請期限はいつまでですか?
再就職手当の支給申請書は、就職した日の翌日から1か月以内に提出します。本人が持参するほか、代理の方による提出や郵送も可能です。
再就職手当をもらった後に退職したらどうなりますか?
再就職手当の支給後に離職して失業状態となった場合、再就職手当として支給された分を除く残日数分の基本手当を受給できる可能性があります。まずはハローワークに相談してください。
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本記事は「再就職手当のご案内」(厚生労働省・都道府県労働局・公共職業安定所・地方運輸局)に基づいて作成しています。実際の支給可否・金額はハローワークが個別に判断します。