退職金の支払時期
最後の給与は退職後の給与支払日に振り込まれますが、退職金は同じタイミングとは限りません。退職から1〜2か月後に設定している会社もあります。 振り込まれないと不安になりますが、まず確認すべきは就業規則の定めです。
原則は就業規則で定めた時期
労働基準法89条3号の2は、退職手当の定めをする場合に「退職手当の支払の時期に関する事項」を就業規則に記載しなければならないと定めています。 そのため退職金制度がある会社なら、支払時期は必ずどこかに書かれています。
よくある定め方
- 「退職の日から1か月以内に支払う」
- 「退職の日の属する月の翌月末日までに支払う」
- 「退職後2か月以内に支払う」
金額の算定に時間がかかることや、退職金共済・企業年金からの支給を経由することがあるため、 給与より後ろに設定されているのが一般的です。
定めがない場合は請求から7日以内
労働基準法23条は、退職の場合の金品の返還について次のように定めています。
使用者は、労働者の死亡又は退職の場合において、権利者の請求があつた場合においては、七日以内に賃金を支払い、積立金、保証金、貯蓄金その他名称の如何を問わず、労働者の権利に属する金品を返還しなければならない。
労働基準法第23条第1項
退職手当については、あらかじめ定められた支払時期に支払うこととされており、支払時期を定めていない場合に請求日から7日以内という扱いになります。 就業規則で「退職後2か月以内」と定めている会社が7日以内に支払わないからといって、 直ちに違法になるわけではありません。
出典:群馬労働局「賃金支払いに関する事項のあらまし」
金額に争いがあるときも一部は7日以内
労働基準法23条2項は、賃金や金品に争いがある場合について「使用者は、異議のない部分を、同項の期間中に支払い、又は返還しなければならない」と定めています。
計算方法をめぐって会社と見解が分かれている場合でも、 会社側が争っていない部分の金額は請求日から7日以内に支払う必要があります。 「金額でもめているから全額保留」という対応は認められません。
遅れているときの手順
ステップ1:就業規則で支払時期を確認する
定められた時期がまだ来ていないだけの可能性があります。退職前に控えを取っていない場合は、在職中の同僚や人事に確認を依頼します。
ステップ2:会社に問い合わせる
振込口座の情報が正しく登録されていない、必要書類が未提出といった事務的な理由で止まっていることもあります。まず状況を確認します。
ステップ3:書面で請求する
口頭で応じない場合は書面にします。請求した日付が起点になるため、内容証明郵便を使うと記録が残ります。
ステップ4:労働基準監督署に相談する
就業規則に定めがあるのに支払われない場合、その退職金は労働基準法上の賃金にあたります。就業規則の該当箇所・請求した記録・振込がない通帳の記載を持参してください。
内容証明郵便の書き方は退職届を郵送で提出する方法で解説しています。退職金の請求にも同じ形式が使えます。
源泉徴収票が届く時期も確認しておく
退職金が振り込まれると「退職所得の源泉徴収票」が交付されます。 確定申告で精算する場合に必要になるので、届かない場合は勤務先に請求してください。
確定申告が必要かどうかの判断は退職金で確定申告が必要なケースを参照してください。
入金までの資金計画を立てる
退職金も失業保険も、退職した翌日から使えるお金ではありません。 失業保険は待期期間7日があり、自己都合退職の場合はさらに給付制限期間(原則1か月)があります。 退職金の支払時期が退職の2か月後であれば、その間の生活費は自分で用意しておく必要があります。