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65歳の前と後、どちらで辞めるか

雇用保険は、65歳未満で離職した場合と65歳以上で離職した場合とで、まったく別の給付を用意しています。65歳未満なら基本手当、65歳以上なら高年齢求職者給付金です。日数も受け取り方も年金との関係も違うため、退職日をどこに置くかで受け取れる額が変わります。

このページで参照している資料

何がどう変わるか

 65歳未満で離職65歳以上で離職
受けられる給付基本手当高年齢求職者給付金
必要な被保険者期間原則、離職日以前2年間に12か月以上離職日以前1年間に6か月以上
日数離職理由・年齢・被保険者期間に応じた所定給付日数1年未満は30日分、1年以上は50日分
受け取り方認定日ごとに支給一時金として一括支給
受給期間の延長できる場合がある制度がない
65歳になるまでの老齢厚生年金との調整求職の申し込みで全額支給停止調整の対象として挙げられていない
高年齢雇用継続給付65歳に達する月まで対象対象外

65歳に達する日はいつか

年齢に達する日は誕生日の前日です。 年齢計算ニ関スル法律(明治35年法律第50号)は「年齢ハ出生ノ日ヨリ之ヲ起算ス」としたうえで、民法143条を年齢の計算に準用すると定めています。 その民法143条2項は「週、月又は年の初めから期間を起算しないときは、その期間は、最後の週、月又は年においてその起算日に応当する日の前日に満了する」と定めています。出生の日から起算して、応当日の前日に満了するので、 誕生日の前日に年齢が1つ上がります。

したがって65歳未満での離職にするには、65歳の誕生日の前々日までに離職日を置く必要があります。

数日の差で受けられる給付が変わることになるため、 離職日を決める前にハローワークで確認してください。会社の就業規則で定年が 「65歳に達した日の属する月の末日」などと定められている場合もあり、 会社の定めと雇用保険の扱いは別に確認する必要があります。

日数だけを見れば基本手当が多い

高年齢求職者給付金は、被保険者期間が1年以上でも50日分です。 基本手当の所定給付日数は離職理由・年齢・被保険者期間で決まり、 50日を超えることが通常です。日数だけを比べれば基本手当のほうが多くなります。

ただし、65歳になるまでの老齢厚生年金を受けている場合は、求職の申し込みをした月の翌月から年金が全額止まります。基本手当の総額から、止まる年金の額を差し引いて比べる必要があります。 詳しくは年金と失業給付は同時に受けられないをご覧ください。

なお、特別支給の老齢厚生年金を受け取れるのは男性は昭和36年4月1日以前、 女性は昭和41年4月1日以前に生まれた方です。 それより後に生まれた方には65歳になるまでの老齢厚生年金がないため、この差し引きは発生しません。

高年齢求職者給付金の落とし穴

65歳以上で辞める場合に注意したいのが、受給期間の延長制度がないことです。 受給期間は離職の日の翌日から1年間で、 失業認定日から受給期限日までの日数が支給日数に満たないときは、その日数分しか支給されません。

自己都合で退職すると待期7日の後にさらに1か月の給付制限があります。 退職後にしばらく休んでから求職活動を始めるつもりでいると、 受給期限までの残り日数が支給日数を下回ることがあります。

「定年退職後しばらくの間休養するとき」は失業の状態にあるとはいえない例として リーフレットに挙げられています。手続きの詳細は高年齢求職者給付金で解説しています。

判断するときに見るもの

1. 基本手当の総額を試算する

基本手当日額と所定給付日数から総額を出します。60歳以上65歳未満の基本手当日額には上限があり、令和8年8月1日以降は7,830円です

2. 年金がいくら止まるかを確認する

65歳になるまでの老齢厚生年金を受けているなら、求職の申し込みをした月の翌月から年金が全額止まります。止まる月数と年金月額を掛けた額が、失業給付と引き換えに失う額です

3. 高年齢雇用継続給付を受けているかを見る

働き続けて高年齢雇用継続給付を受けている場合、65歳に達する月までが支給対象期間です。65歳を待たずに辞めると、その分の給付を受け取れなくなります

4. 退職金の勤続年数を確認する

退職所得控除は勤続年数で計算され、1年未満の端数は1年に切り上げます。あと数か月で勤続年数が1年増えるなら、控除額が変わります

基本手当の総額は失業保険シミュレーター、退職金の手取りは退職金 手取り計算機で試算できます。有給休暇を消化して退職日をずらす場合の逆算は退職日・有給消化シミュレーターが使えます。

社会保険の面でも変わる

退職日を月末にするか月末の前日にするかで、社会保険料の負担が変わります。 この点は年齢に関係なく共通で、退職日と社会保険料で整理しています。

退職後の健康保険は、任意継続・国民健康保険・家族の被扶養者の3つから選ぶことになります。 それぞれの条件は退職後の健康保険任意継続被保険者をご覧ください。

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