健康保険の任意継続
任意継続は、退職後も在職中と同じ健康保険に最長2年間加入し続けられる制度です。 国民健康保険と比べて保険料が安くなる場合があり、 扶養している家族をそのまま被扶養者にできる点も違いですが、申請期限が20日と短いため注意が必要です。
退職日の翌日から20日以内。郵送も20日以内必着
この期限を過ぎると任意継続には加入できません。 国民健康保険の14日より長いぶん油断しがちですが、 退職後は他の手続きも重なるため、在職中に判断を済ませておくのが安全です。
加入できる条件
- 資格喪失日の前日(退職日)までに、健康保険の被保険者期間が継続して2か月以上あること入社してすぐ退職した場合は加入できません。この期間は退職した事業所での期間に限らず、 協会けんぽと健康保険組合の加入期間を合算できます(1日も間を空けずに継続していることが条件)。
- 資格喪失日(退職日の翌日)から20日以内に申出書を提出すること郵送の場合も20日以内に必着するよう送ります。
出典:協会けんぽ「任意継続の加入条件について」
保険料の計算方法
退職時の標準報酬月額 × 都道府県の保険料率
40歳以上65歳未満の方は介護保険料率が含まれます
在職中は事業所と本人で保険料を半分ずつ負担していましたが、退職後は本人が全額負担します。 給与明細に載っていた健康保険料の約2倍になるのが目安です。
標準報酬月額の上限
退職時の標準報酬月額が32万円を超えていた場合は、 32万円の標準報酬月額で算出した保険料になります (令和7年3月分までは30万円)。 在職中の給与が高かった人ほど、この上限によって負担が抑えられる仕組みです。
保険料は原則2年間変わりません。ただし、年齢到達(介護保険第2号被保険者に該当・非該当となるとき)、 保険料率の変更、上限額の変更、他の都道府県への転出があった場合は変更されます。
出典:協会けんぽ「保険料について(健康保険任意継続制度)」
加入期間は2年。途中で資格を失うケース
加入できるのは2年間ですが、次に該当したときは2年を待たずに資格を喪失します。
- 就職して健康保険等の被保険者の資格を取得したとき
- 保険料を納付期限までに納付しなかったとき
- 後期高齢者医療制度の被保険者の資格を取得したとき
- 任意継続被保険者でなくなることを希望する旨を申し出たとき
- 本人が亡くなったとき
見落としやすいのが2つ目です。納付期限までに保険料を納めないと、それだけで資格を失います。うっかり納め忘れると無保険の期間が生じるため、口座振替にしておくと安全です。
出典:協会けんぽ「資格の喪失について(健康保険任意継続制度)」
途中でやめて国民健康保険に移る
「任意継続被保険者資格喪失申出書」を提出し、 任意継続被保険者でなくなることを希望する旨を申し出れば、やめることができます。資格喪失日は申出の時期によって決まるため、切り替えを予定している場合は、あらかじめ協会けんぽの支部に喪失日を確認してください。 国民健康保険の加入手続きの日程に関わります。
国民健康保険の保険料は前年の所得で決まるため、退職の翌年になると前年(=退職した年)の所得が下がって国保の方が安くなることがあります。1年目は任意継続、2年目は国民健康保険という選び方も可能です。
切り替えるときは、国民健康保険側の手続きも必要です。 市区町村の窓口で、任意継続の資格喪失日がわかる書類を提示してください。
扶養している家族も継続できる
任意継続では、在職中に被扶養者だった家族を引き続き被扶養者にできます。 被扶養者が何人いても保険料は変わりません。
国民健康保険には「被扶養者」という考え方がなく、世帯の加入者数に応じて保険料が増えます。 扶養している家族が多い場合、任意継続の方が有利になりやすいのはこのためです。
なお、令和8年4月1日から任意継続被保険者の被扶養者認定における年間収入の取扱いが変わっています。 該当する家族がいる場合は協会けんぽの任意継続のページで最新の要件を確認してください。
健康保険組合の場合は取扱いが異なる
ここまでは協会けんぽ(全国健康保険協会)の場合です。 勤務先が健康保険組合に加入していた場合、 保険料率や標準報酬月額の上限、付加給付の有無が組合ごとに異なります。
保険証に記載されている保険者名を確認し、 「◯◯健康保険組合」であれば、その組合の任意継続の案内を確認してください。