1か月・3か月・半年で辞めるとどうなるか|短期離職の影響を整理する
入社してすぐ辞めることの影響は、漠然と「不利になる」と語られがちです。ただ実際には、影響が出る場所は限られていて、しかも期間によって変わります。
この記事では、失業保険、経歴、社会保険の3方向から、在籍期間ごとに何が変わるかを整理します。
在籍期間ごとに変わるもの
| 在籍期間 | 主に変わること |
|---|---|
| 1か月未満 | 有給は未付与。社会保険の加入・喪失の手続きだけが発生する |
| 1〜6か月 | 有給は未付与。失業給付は前職との通算で判断される |
| 6か月〜1年 | 有給が付与されている(出勤率8割以上の場合) |
| 1年以上 | 自己都合でも被保険者期間12か月の要件を単独で満たしやすくなる |
ここで分かるとおり、期間で変わるのは主に制度上の要件です。「短いほど転職市場で不利になる」という部分は、後述するとおり説明の仕方で扱いが変わります。
1. 失業保険の受給資格
短期離職で最も実害が出やすいのがここです。ただし、今の会社の在籍が短くても受給できる場合があります。
自己都合退職では、原則として離職の日以前2年間に被保険者期間が通算12か月以上あることが要件です。重要なのは「通算」という点で、前職の加入期間と合算できる場合があります。転職してすぐ辞めた場合、前職の期間が効いてきます。
通算されるかどうかの目安
- 前職の離職後に基本手当を受給していると、通算はリセットされます
- 前職と今の会社の間の空白期間が長いと、通算できないことがあります
- 雇用保険被保険者番号は転職しても引き継がれるため、記録は残っています
また、会社都合や特定理由離職者に当たる場合は、離職の日以前1年間に被保険者期間が通算6か月以上で要件を満たします。入社前の説明と労働条件が違った場合など、離職理由によっては該当する可能性があります。判断はハローワークが行います。
2. 経歴への影響と、隠すことの危うさ
短期間の在籍を履歴書に書かない、という選択を勧める情報もあります。ただ、これには注意が必要です。
雇用保険の加入履歴は被保険者番号で引き継がれ、年金の記録にも加入期間が残ります。転職先での手続きで前職が判明する場面があるため、意図的に隠すと経歴詐称と受け取られる可能性があります。
現実的なのは、期間の短さを認めたうえで、説明できる状態にしておくことです。面接官が知りたいのは在籍期間の長さではなく、「同じ理由でうちもすぐ辞めないか」だからです。
3. 期間が短くても発生する手続き
在籍が1か月でも、社会保険と税の手続きは通常どおり発生します。ここを見落とすと、後から困ります。
有給休暇は6か月が分かれ目
年次有給休暇は、雇入れの日から6か月継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した場合に付与されます。入社6か月未満で辞める場合は、そもそも付与されていない可能性があります。
6か月を過ぎていれば付与されているため、退職日を決める前に残日数を確認してください。会社の時季変更権は退職日より後の日には行使できないため、残日数を把握してから退職日を決める順番になります。
期間を延ばすために残るべきか
「せめて1年は」「せめて3年は」と考えて、辞める時期を先送りする人がいます。制度上の要件を満たすために数か月ずらすことには合理性がありますが、それは体調が保っている場合に限ります。
心身に不調が出ているなら、在籍期間を延ばす判断が高くつくことがあります。在職中でなければ使えない制度(休職、傷病手当金)もあるため、順番を確認してください。
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よくある質問
Q. 入社1か月で辞めても失業保険はもらえますか?
今の会社の在籍が1か月でも、受給できる場合があります。自己都合退職では、原則として離職の日以前2年間に被保険者期間が通算12か月以上あることが要件です。ここでいう被保険者期間は前職と通算できる場合があるため、転職してすぐ辞めた場合は前職の加入期間が効いてきます。ただし、前職の離職後に基本手当を受給していると通算はリセットされます。判断はハローワークが行うため、雇用保険被保険者証を持参して相談してください。
Q. 短期間で辞めた職歴は、履歴書に書かなくてもよいですか?
書かないことを勧める記事もありますが、注意が必要です。雇用保険の加入履歴は被保険者番号で引き継がれ、年金の記録にも加入期間が残ります。転職先での手続きで前職が判明する場面があるため、意図的に隠すと経歴詐称と受け取られる可能性があります。期間の短さそのものより、隠したことのほうが問題になりやすいと考えてください。
Q. 半年で辞めると有給休暇はどうなりますか?
年次有給休暇は、雇入れの日から6か月継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した場合に付与されます。つまり入社6か月未満で辞める場合は、そもそも付与されていない可能性があります。6か月を過ぎていれば付与されているため、退職日を決める前に残日数を確認してください。会社の時季変更権は退職日より後の日には行使できないため、残日数を把握してから退職日を決める順番になります。