有給の残日数を確認する方法
退職日を決めるうえで、有給が何日残っているかは前提になる情報です。 残日数がわからないまま退職日を決めてしまうと、消化しきれなかった分がそのまま消えます。 確認する方法は複数あり、会社には記録を作る義務もあります。
このページは労働基準法39条と労働基準法施行規則24条の7の条文に基づいています。
確認できる4つの場所
1. 給与明細の勤怠欄
「有給残」「年休残」といった欄に日数が印字されていることが多くあります。毎月手元に届くため、もっとも手軽な方法です。
2. 勤怠管理システム
申請画面に残日数が表示されるのが一般的です。付与日と有効期限まで表示されるシステムもあります。
3. 年次有給休暇管理簿
労働基準法施行規則24条の7により、時季・日数・基準日を労働者ごとに明らかにした書類の作成が義務づけられています。人事・総務に照会します。
4. 就業規則
基準日がいつか、繰越分と当年分のどちらから消化するかが書かれています。残日数そのものではありませんが、数え方の根拠になります。
年次有給休暇管理簿には何が書かれているか
労働基準法施行規則24条の7が求めているのは、次の3つを労働者ごとに明らかにした書類です。
- ・有給休暇を与えた時季
- ・与えた日数
- ・基準日(第一基準日および第二基準日を含む)
保存期間は条文上5年ですが、 同規則の附則により当分の間は3年とされています。 つまり現時点の実際の保存期間は3年です。「3年」とだけ書かれた説明も 「5年」とだけ書かれた説明も、片方だけでは正確ではありません。
自分でも検算しておく
会社の集計を確認するだけでなく、法律上の日数を自分で出しておくと差に気づけます。 必要なのは雇入れの日と週の所定労働日数、 それに前年度からの繰越日数と今年度に取得した日数です。
繰り越せるのは前年度に付与された分までです。それより古い分は 労働基準法115条の時効により消えています。くわしくは有給休暇の繰越と時効2年を参照してください。
数が合わないときに見る3か所
基準日がいつになっているか
会社が全員の基準日をそろえている場合、自分の入社日から6か月後とは違う日付になります。付与のタイミングがずれるため、時期によって残日数の見え方が変わります。
繰越分が足されているか
当年度の付与分しか表示されていないことがあります。前年度分が残っていれば、それも使えます。
出勤率8割の判定
長期に休んだ年があると、その翌年の付与が飛んでいることがあります。ただし業務上のけがや育児・介護休業、産前産後休業は出勤扱いです。
出勤率の数え方は出勤率8割の判定にまとめています。休んだ日がそのまま欠勤になるとは限りません。
確認できたら退職日から逆算する
残日数がわかったら、それを消化しきれる退職日を組みます。 最終出社日のあとに有給を並べ、その翌日以降を退職日にするのが一般的な形です。
次の基準日をまたぐと新しい付与が加わるため、 数日ずらすだけで消化できる日数が増えることがあります。
よくある質問
有給の残日数はどこで確認できますか?
給与明細の勤怠欄に残日数が印字されていることが多く、勤怠管理システムがあればそこでも確認できます。どちらでもわからない場合は、会社が作成している年次有給休暇管理簿を確認してください。労働基準法施行規則24条の7により、時季・日数・基準日を労働者ごとに明らかにした書類の作成と保存が義務づけられています。
年次有給休暇管理簿は見せてもらえますか?
施行規則24条の7が義務づけているのは作成と保存であり、労働者への交付までは条文上定められていません。ただし記録されているのは自分の取得実績なので、内容の確認を求めること自体に問題はありません。実務上は人事・総務に残日数の照会をすれば回答が得られます。回答が得られない場合は労働基準監督署に相談できます。
管理簿はいつまで保存されていますか?
労働基準法施行規則24条の7は、有給休暇を与えた期間中および当該期間の満了後5年間保存しなければならないと定めています。ただし同規則の附則により、当分の間はこれを3年間とするとされています。したがって現時点では3年間が実際の保存期間です。数年前の取得実績まで確認できる可能性があります。
会社が言う残日数が法律の日数より少ないのですが
まず自分の勤続年数と週の所定労働日数から、法律上の付与日数を確認してください。そのうえで、繰越分が正しく足されているか、出勤率8割の判定で欠勤として扱われた日がないかを見ます。法律を下回る日数にすることはできないため、根拠を確認しても差が埋まらない場合は、労働基準監督署に相談してください。