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3年で辞めるか続けるか|「石の上にも三年」を統計で検証する

「せめて3年は」という言葉に、多くの人が縛られています。ただ、この3年という区切りに、制度上の根拠はありません。

この記事では、3年という基準を統計で検証したうえで、3年待つことに意味があるケースとないケースを分けます。

実際には、3年以内に辞める人が3割を超えている

厚生労働省が公表する令和4年3月卒業者の離職状況では、就職後3年以内の離職率は次のとおりです。

  • 大学卒 33.8%
  • 短大等卒 44.5%
  • 高校卒 37.9%
  • 中学卒 54.1%

大学卒でおよそ3人に1人が、3年を待たずに辞めています。「3年は続けるのが普通」という前提は、実態とは合っていません。

さらに、事業所規模によって差が大きいことも押さえておいてください。従業員5人未満で57.5%、1,000人以上で27.0%。辞めるかどうかは、本人の忍耐力より入った先の環境で決まる部分が大きいということです。

新規学卒者の3年以内離職率(規模別・産業別の内訳)

3年(あるいは区切りまで)待つことに意味があるケース

一方で、待つことに実利がある場合もあります。ただしそれは「3年」という数字自体ではなく、具体的な条件によります。

退職金の支給要件に届いていない

退職金は法律上の義務ではなく、就業規則や退職金規程の定めによります。勤続年数で支給の有無や支給率が変わる規程は珍しくありません。まず規程を読んでください。数か月の差で金額が変わるなら、待つ合理性があります。
退職金の相場退職金がない会社は違法か

担当している仕事が、いま形になりかけている

経歴として説明できる成果が数か月先に出るなら、それを待つことで面接での説明が具体的になります。「何をしていたか」を語れるかどうかは、在籍年数より効きます。

資格の取得や実務経験の要件が近い

実務経験の年数が受験要件になっている資格の場合、あと少しで満たせるなら待つ価値があります。要件の内容は資格ごとに異なるため、一次情報で確認してください。

いずれも共通しているのは、「3年だから」ではなく「具体的に何が変わるか」で判断している点です。理由を説明できない待機には、実利がありません。

待っても状況が変わらないケース

逆に、時間が解決しない類のものもあります。

  • 改善を申し出たが、何も変わらなかった -- 一度も言っていないならまだ材料が足りませんが、言ったうえで動かないなら構造の問題です
  • 同じ理由で辞める人が続いている -- 個人ではなく職場の側に原因があります
  • 身につくものがない -- その会社でしか通用しない形で経験が積まれている場合、年数は資産になりません
  • 評価や昇給の基準が示されない -- 「頑張れば報われる」に確認できる根拠がない状態です
  • 心身に不調が出ている -- 待つことのコストが最も高くつくケースです

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3年前後の転職は、市場でどう扱われるか

厚生労働省の令和6年雇用動向調査では、転職した人のうち賃金が増加した割合は25〜29歳で46.3%、減少が29.2%で、増加が17.1ポイント上回っています。20〜24歳では増加50.5%、減少16.8%と、差はさらに大きくなります。

つまり、この年代の転職で条件が上がる人のほうが多いというのが統計の示すところです。

評価されるかどうかは年数ではなく、その経験が社外でも通用する形になっているかで決まります。確かめる方法は簡単で、実際の求人の要件と自分の経験を突き合わせることです。ハローワークの職業相談は在職中でも使えます。

年齢別の転職入職率と賃金の変動ハローワークの職業相談・職業紹介の使い方在職中に転職活動を進める方法

3年目で辞める場合の手続き面

在籍3年であれば、制度上の要件はおおむね満たしています。

  • 失業給付 -- 被保険者期間12か月以上の要件は通常満たします。ただし自己都合の場合、令和7年(2025年)4月1日以降の離職であれば待期7日のあと原則1か月の給付制限があります。給付制限期間
  • 有給休暇 -- 勤続3年6か月時点で付与日数が増えます。付与のタイミングと残日数を確認してください。付与日数繰越と時効2年
  • 退職金 -- 支給要件を満たしているか、規程を確認します。退職所得控除の計算
  • 退職前の確認事項 -- 在職中でなければできないことを先に済ませてください。チェックリスト

年数ではなく、見込みで決める

3年という数字は、判断の材料としては使えません。代わりに使えるのは、「あと1年続けたとして、いまの問題は変わっているか」という問いです。

変わる見込みがあるなら、待つ理由があります。変わる見込みがないなら、待つほど選択肢が減るだけです。そして、その見込みは、改善を申し出た結果を見れば分かります。

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よくある質問

Q. 「石の上にも三年」で、3年は続けるべきですか?

3年という区切りに、制度上の根拠はありません。厚生労働省が公表する令和4年3月卒業者の離職状況では、就職後3年以内の離職率は大学卒33.8%で、およそ3人に1人が3年以内に辞めています。判断すべきは在籍年数ではなく、続けた場合に状況が改善する見込みがあるか、続けることで身につくものがあるかです。ただし、退職金の支給要件や勤続年数による区切りが規程にある場合は、日付で結果が変わるため確認が必要です。

Q. 3年働いた経験は、転職で評価されますか?

評価されるかどうかは年数ではなく、その経験が社外でも通用する形になっているかで決まります。厚生労働省の令和6年雇用動向調査では、転職した人のうち賃金が増加した割合は25〜29歳で46.3%、減少が29.2%で、増加が17.1ポイント上回っています。年数そのものより、何を担当し、何ができるようになったかを説明できるかが重要です。実際の求人の要件と自分の経験を突き合わせると、通用する部分がはっきりします。

Q. 3年目で辞める場合、失業保険はどうなりますか?

3年勤務していれば、自己都合退職でも被保険者期間12か月以上という要件は通常満たします。ただし自己都合の場合、令和7年(2025年)4月1日以降の離職であれば待期7日のあと原則1か月の給付制限があります。所定給付日数は90日から最長360日まで、離職理由・年齢・被保険者期間で決まります。会社都合や特定理由離職者に当たる場合は給付制限がありません。

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