生活相談員は、資格の名前ではありません。施設や事業所が、要件を満たす人をその職に配置することで「生活相談員」になります。この点を理解しておくと、辞めるときの説得に揺さぶられにくくなります。
資格と配置は別のもの
社会福祉士や精神保健福祉士は、国家資格です。社会福祉主事任用資格も、要件を満たしていれば個人に残ります。これらは退職しても失われません。
一方、生活相談員という立場は、その施設があなたを配置した結果です。退職すればその配置は解かれ、次の職場で改めて配置されれば、また生活相談員になります。
| 性質 | 退職したら | |
|---|---|---|
| 社会福祉士・精神保健福祉士 | 国家資格 | 残る |
| 社会福祉主事任用資格 | 任用資格(要件を満たしている状態) | 残る |
| 生活相談員 | 施設ごとの配置 | 解かれる |
「辞めたら生活相談員でなくなる」のは事実ですが、それは資格を失うという意味ではありません。
要件は自治体によって異なる
生活相談員の要件は、社会福祉士、精神保健福祉士、社会福祉主事任用資格などが基本ですが、都道府県や市によって、これに加えて認められている要件があります。介護支援専門員の資格や、一定の実務経験を要件として認めている自治体もあります。
このため、次のことが起こります。
- 今の自治体では要件を満たしているが、隣の県では扱いが違う
- 求人票の「生活相談員」の応募要件が、事業所ごとに違って見える
転居を伴う転職を考えているなら、移った先の自治体の要件を、その自治体の介護保険担当課の資料で確認してください。このサイトの記述を根拠に判断しないでください。
任用資格を証明する書類
社会福祉主事任用資格は、資格証が発行されるものではありません。大学等で指定科目を履修したこと、または指定の養成機関を修了したことで要件を満たします。証明するには次のものが必要になります。
- 卒業証明書
- 成績証明書(履修した科目が分かるもの)
- 講習会等の修了証
退職してから慌てて取り寄せると、大学によっては発行に時間がかかります。転職を考え始めた時点で、手元にあるかを確認してください。
実務経験を証明する書類
次の職場で「相談援助業務の経験」を問われることがあります。また、介護支援専門員の受験資格などでも実務経験が問われます。この場合、働いた施設が発行する実務経験証明書が必要です。
在職中に依頼するほうが、担当者もあなたを知っており、記録も追いやすくなります。辞めると決めた時点で相談してください。
「あなたが辞めたら基準を満たせない」と言われたとき
生活相談員は、特別養護老人ホームや通所介護などで配置が定められている職種です。自分が抜けることで施設が基準を満たせなくなるのは、事実である場合があります。
ただし、基準を満たす人員を確保するのは事業者の責任であって、退職しようとしている個人の責任ではありません。配置の要件や人数は改正されることがあるため、現時点の基準は厚生労働省の資料や指定権者である自治体の情報で確認してください。
退職の自由は民法627条1項で認められています。
民法627条1項
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
まとめ
- 社会福祉士・精神保健福祉士・社会福祉主事任用資格は退職しても残る
- 生活相談員は施設ごとの配置。辞めれば解かれるが、資格を失うわけではない
- 要件は自治体によって異なる。移る先の自治体の資料で確認する
- 卒業証明書と実務経験証明書は、在職中に手配しておく