児童指導員は、試験に合格して取る資格ではありません。定められた学歴や資格などの要件を満たす人が、児童福祉施設や事業所でその職に任用されることで「児童指導員」になります。この仕組みを理解しておくと、辞めるときの説得に揺さぶられにくくなります。

任用資格と配置は別のもの

児童指導員任用資格は、児童福祉施設の設備及び運営に関する基準で要件が定められています。大学等での指定学科の修了、社会福祉士や精神保健福祉士の資格、教員免許と一定の要件、実務経験など、複数の道があります。

要件を満たしているという事実は、退職しても変わりません。一方、児童指導員としての立場は、その事業所があなたを配置した結果です。退職すればその配置は解かれ、次の職場で改めて配置されれば、また児童指導員になります。

性質退職したら
児童指導員任用資格の要件学歴・資格・経験で満たすもの残る
社会福祉士・精神保健福祉士・保育士国家資格残る
教員免許免許残る
児童指導員としての配置事業所ごとの配置解かれる

「辞めたら資格がなくなる」という説明は、正しくありません。

要件を証明する書類

児童指導員任用資格には、資格証が発行されるものではありません。要件を満たしていることは、次のような書類で示します。

  • 卒業証明書
  • 成績証明書(指定学科・科目の履修が分かるもの)
  • 保育士登録証、社会福祉士登録証、教員免許状の写し
  • 実務経験証明書(実務経験で要件を満たす場合)

転職のときに提出を求められるのは、この書類です。大学によっては発行に時間がかかるため、転職を考え始めた時点で手元にあるかを確認してください。

要件は改正されることがある

任用資格の要件や、放課後等デイサービス・児童発達支援の人員基準は、改正されることがあります。現在の要件は、こども家庭庁の資料や、指定権者である自治体の担当課の情報で確認してください。このサイトの記述や、人から聞いた話を根拠に判断しないでください。

「あなたが辞めたら基準を満たせない」と言われたとき

放課後等デイサービスや児童発達支援には、職員の配置が基準で定められています。自分が抜けることで事業所が基準を満たせなくなるのは、事実である場合があります。

ただし、基準を満たす人員を確保するのは事業者の責任であって、退職しようとしている個人の責任ではありません。

退職の自由は民法627条1項で認められています。

民法627条1項
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

実務上は、就業規則の申し出期限に沿って伝えるのが穏当です。

次の職場の選択肢

児童指導員任用資格の要件を満たしていれば、放課後等デイサービスのほかにも働ける場があります。

  • 児童発達支援センター、児童発達支援事業所
  • 児童養護施設、乳児院
  • 障害児入所施設
  • 放課後児童クラブ(学童保育)

同じ「子どもに関わる仕事」でも、対象年齢、支援の内容、勤務時間が大きく違います。放課後等デイが合わなかったからといって、この分野が合わないとは限りません。

まとめ

  • 児童指導員任用資格は、要件を満たしている状態のこと。退職しても残る
  • 児童指導員としての配置は事業所ごとのもの。辞めれば解かれる
  • 要件を示すのは卒業証明書などの書類。在職中に手元を確認する
  • 要件や人員基準はこども家庭庁・自治体の資料で確認する