生活福祉資金貸付制度|給付で足りないときの公的な貸付
退職後の生活費が足りないとき、多くの人が思い浮かべるのは民間の借入ですが、その前に公的な貸付制度があります。
生活福祉資金貸付制度は、都道府県社会福祉協議会が実施するもので、連帯保証人を立てられる場合は無利子、立てられない場合も低利という条件です。民間の消費者金融やカードローンとは条件がまったく違います。
ただし貸付なので返済が必要です。まず返済不要の給付を確認し、それでも足りない場合の選択肢として位置づけてください。
確認する順番
生活費が足りないときは、この順で確認すると無駄がありません。
- 返済不要の給付 -- 失業給付(手続き)、求職者支援制度(詳細)、住居確保給付金(詳細)
- 支出を減らす制度 -- 国民健康保険料の軽減(詳細)、国民年金保険料の免除(詳細)
- 公的な貸付 -- 生活福祉資金貸付制度(この記事)
1と2を飛ばして借りると、返さなくてよかったお金を借りることになります。窓口が別々なので手間はかかりますが、順番は守ってください。
失業時に関係する資金の種類
この制度にはいくつかの資金種類があります。離職にともなう生活の立て直しで関係しやすいのは次の2つです。
総合支援資金
失業などにより生計の維持が困難になった世帯に対して、生活の再建までの間に必要な生活費を貸し付けるものです。生活支援費のほか、住宅の入居に必要な費用(住宅入居費)や、一時的に必要な費用(一時生活再建費)といった区分があります。原則として、自立相談支援機関による支援を受けることが前提になります。
緊急小口資金
緊急かつ一時的に生計の維持が困難になった場合に、少額の費用を貸し付けるものです。総合支援資金より小さい金額で、当面をしのぐための位置づけです。
このほか、教育支援資金(就学に必要な費用)や福祉資金など、目的別の資金があります。子どもの学費で困っている場合は、教育支援資金が該当することがあります。
注意: 貸付限度額、据置期間、償還期間、利子の条件は資金の種類と世帯の状況によって異なります。また制度の運用は見直されることがあります。金額の目安は窓口で確認してください。
窓口と相談の流れ
窓口は市区町村の社会福祉協議会です。ハローワークでも自治体の役所でもない点に注意してください。
- 市区町村の社会福祉協議会に相談する
- 世帯の状況と、必要な資金について面談する
- 申請書と必要書類を提出する(本人確認書類、収入や世帯の状況が分かる書類など)
- 審査を経て決定する
- 貸付を受け、据置期間の後に償還を開始する
相談の場で、貸付以外の制度を案内されることもあります。「借りに行く」というより「生活の立て直しを相談しに行く」という捉え方のほうが、実態に近い制度です。
借りる前に確認すること
- 返済が必要 -- 給付ではありません。据置期間の後、償還が始まります
- 審査がある -- 申請すれば必ず借りられるものではありません。返済の見込みや、支援によって自立が見込まれるかが判断されます
- 時間がかかる -- 相談から入金まで一定の期間が必要です。家賃や公共料金の支払日が迫っている場合は、その旨も含めて早めに相談してください
- 他制度の利用が前提になることがある -- 総合支援資金では、自立相談支援機関の支援を受けることが求められます
なお、生活の維持が本当に難しい状態であれば、貸付ではなく生活保護の相談という選択肢もあります。社会福祉協議会や自治体の窓口では、状況に応じてその案内も行われます。
借りる前に、数字を出しておく
相談の場でも、生活の見通しを聞かれます。先に整理しておくと話が早く進みます。
- 毎月の生活費(家賃、光熱費、通信費、食費など)
- 退職後に自分で払うことになる健康保険料・国民年金保険料・住民税
- 入る予定のお金と、その日付(最終給与、退職金、失業給付)
- いま手元にある額で何か月もつか
よくある質問
Q. 生活福祉資金貸付制度とは何ですか?
低所得世帯や失業により生計の維持が困難になった世帯に対して、都道府県社会福祉協議会が実施する公的な貸付制度です。窓口は市区町村の社会福祉協議会になります。給付金と違い返済が必要ですが、連帯保証人を立てられる場合は無利子、立てられない場合も低利で借りられる点が民間の借入と異なります。生活を立て直すための相談支援とあわせて行われる制度です。
Q. 給付金と貸付はどちらを先に検討すべきですか?
返済が不要な給付を先に確認してください。失業給付(基本手当)、求職者支援制度の職業訓練受講給付金、住居確保給付金などが該当します。あわせて、国民健康保険料の軽減や国民年金保険料の免除といった支出を減らす制度も確認します。それらを使ってもなお不足する場合に、貸付を検討するという順番になります。社会福祉協議会の窓口では、貸付の相談と同時に他の制度の案内を受けられることもあります。
Q. 審査に落ちることはありますか?
あります。この制度は生活の立て直しを支援するものなので、返済の見込みや、支援によって自立が見込まれるかどうかが審査されます。貸付の可否や条件は世帯の状況によって判断され、申請すれば必ず借りられるものではありません。また、資金の種類ごとに貸付限度額や据置期間、償還期間が定められています。詳細は住んでいる市区町村の社会福祉協議会で確認してください。