証券会社の営業では、販売目標が重い負担になることがあります。

賃金からの控除には制限がある

「目標未達だから減給する」という扱いが行われることがあります。

労働基準法24条は、賃金は全額を支払わなければならないと定めています(法令や労使協定に基づく場合を除く)。

すでに発生した賃金を、目標未達を理由に一方的に差し引くことは問題になり得ます。

一方で、あらかじめ制度として定められた賞与やインセンティブの査定は、賃金の減額とは区別されます。就業規則や賃金規程で仕組みを確認してください。

なお、就業規則で減給の制裁を定める場合、労働基準法91条により1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えてはならないとされています。

損害賠償の予定は禁止されている

労働基準法16条は、労働契約の不履行について違約金を定め、または損害賠償額を予定する契約をしてはならないと定めています。

労働基準法16条
使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。

自爆営業を求められたら

自分や家族の名義で商品を購入して目標を達成する、いわゆる自爆営業を事実上求められることがあります。

これは労働者に経済的負担を負わせる行為であり、パワーハラスメントに該当し得ます。

厚生労働省は、パワーハラスメントを次の3つの要素をすべて満たすものとして整理しています。

  • 優越的な関係を背景とした言動
  • 業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの
  • 労働者の就業環境が害されるもの

労働施策総合推進法により、事業主にはパワーハラスメントの防止措置が義務づけられています。

顧客に不適切な提案を求められたら

顧客の意向やリスク許容度に合わない商品の販売を求められた場合、それは金融商品取引法上の適合性の原則に関わる問題です。

指示された内容と日付を記録に残してください。従うと、自分の責任にも跳ね返ります。

金融商品取引業者には内部管理体制の整備が求められており、社内に内部通報窓口があるはずです。機能していない場合は、監督官庁や外部窓口を検討してください。

公益通報者保護法により、一定の要件を満たす公益通報をしたことを理由とする解雇その他の不利益な取扱いは禁じられています。

在職中に残しておくもの

  • 課されている目標の内容
  • 未達のときに言われた内容と日付
  • 給与明細(減額されていないか)
  • 労働時間の記録

相談先

  • 会社の内部通報窓口、コンプライアンス部門
  • 労働組合
  • 都道府県労働局の総合労働相談コーナー(無料)
  • こころの耳(厚生労働省の働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト)

体調に出ているとき

眠れない、朝に体が動かないといった状態が続いている場合は、辞めるかどうかを決める前に受診してください。

健康保険の傷病手当金は、業務外の病気やけがで働けない期間の生活を支える制度です。休職という選択肢を確認したうえで判断しても遅くありません。