英会話講師は、契約書上は「業務委託」でも、働き方の実態は労働者に近いことがあります。ここを整理しておかないと、辞めるときも、辞めた後も不利になります。

なぜ区別が重要か

労働者であれば、次のような保護を受けられます。

  • 労働基準法(労働時間、割増賃金、年次有給休暇)
  • 最低賃金法
  • 労働災害の補償(労災保険)
  • 雇用保険(失業保険)

業務委託であれば、これらは原則として適用されません。契約書の名称ではなく、実態で判断されます。

労働者性の判断要素

厚生労働省の整理では、次のような点から総合的に判断されます。

  • 仕事の依頼を断る自由があるか(断れないなら労働者に近い)
  • 業務の遂行方法について指揮命令を受けているか
  • 勤務の場所と時間が拘束されているか
  • 他人に代わってもらえるか(代替性がないなら労働者に近い)
  • 報酬が労働の時間に対して支払われているか

補強的に、機材や制服を誰が負担しているか、報酬の額が他の従業員と比べてどうか、なども考慮されます。

英会話講師でよくある実態

  • レッスンの時間割が会社から指定される
  • 使用テキストと進め方が決められている
  • 代講を自分で手配できない
  • レッスン以外の業務(受付、事務、生徒の勧誘)も求められる
  • 報酬がコマ単位・時間単位

これらが揃っているなら、実態は労働者と判断される可能性があります。

労働者と認められた場合に主張できること

  • 未払いの割増賃金(時間外・深夜・休日)
  • 年次有給休暇
  • 最低賃金を下回っていた場合の差額
  • 労災保険の適用(業務中のけがなど)
  • 雇用保険(要件を満たす場合、遡って加入できることがあります)

記録を残す

  • 契約書
  • レッスンのシフト表(時間・場所が指定されている証拠)
  • 会社からの指示のメール、チャット
  • 報酬明細
  • 事務やイベントなど、レッスン以外に従事した記録

在職中でないと集められません。

相談先

  • 労働基準監督署(労働者性、未払い賃金)
  • 都道府県労働局の総合労働相談コーナー(無料)
  • 法テラス(収入等の条件を満たせば無料法律相談)

「業務委託だから相談できない」ということはありません。実態を見て判断してもらえます。

契約を終わらせるとき

業務委託であれば、契約書の解除条項に従います。何日前までに、どのような方法(書面か口頭か)で通知するかを確認してください。

契約書がない、または見せてもらえない場合は、その事実自体が労働者性を裏づける材料になり得ます。