「年度の途中で辞めるのは無責任ではないか」と悩む塾講師は多くいます。法律上は年度の途中でも退職できますが、生徒への影響を抑える進め方はあります。
年度途中でも退職できる
期間の定めのない雇用契約であれば、民法627条1項によりいつでも解約の申入れができ、申入れの日から2週間の経過で雇用契約は終了します。年度や学期の区切りに縛られる法律上の理由はありません。
「年度末まで辞められない」と言われても、それは塾側の希望であって義務ではありません。
有期契約の場合は扱いが違う
契約期間が定められている場合(「令和◯年3月31日まで」など)、期間途中の退職は原則として認められません。ただし次の場合は例外です。
- やむを得ない事由があるとき
- 契約期間の初日から1年を経過した後(一定の要件を満たす場合)
- 塾側が合意したとき
体調不良や家族の介護など、勤務の継続が困難な事情があれば「やむを得ない事由」にあたる可能性があります。契約書で期間を確認してください。
生徒への影響を抑える進め方
1. 引き継ぎ資料を作る
- 担当生徒ごとの進度(テキストのどこまで進んだか)
- 単元ごとの理解度と苦手分野
- 志望校と現在の到達状況
- 保護者との面談で共有した内容
後任の講師が読めば同じ授業ができる状態を目指します。
2. 区切りのよい時期を選ぶ
やむを得ない事情がなければ、定期テスト後や講習の終了後など、生徒の学習の区切りに合わせます。
3. 生徒への伝え方は塾と相談する
生徒に直接伝えるかどうか、いつ伝えるかは塾の方針によります。独断で生徒に伝えると混乱を招くため、必ず教室長と相談してください。
受験生を担当している場合
受験生の担当は、途中交代の影響が最も大きくなります。可能であれば入試が終わるまで続けるのが望ましいですが、体調不良など続けられない事情があるなら、早めに伝えて後任の準備期間を確保する方が生徒のためになります。
無理に続けて授業の質が落ちる方が、生徒にとって不利益になることもあります。