子どもへの支援そのものより、保護者とのやりとりで消耗する。放課後等デイサービスや児童発達支援では、これがよくある退職理由になります。
保護者対応は、事業所として受けるもの
送迎時の立ち話、連絡帳、電話。保護者とのやりとりは日常的に発生しますが、重い内容を個人で受け止めるものではありません。
- 受けた内容は記録に残す
- 管理者・児発管に共有する
- 対応方針は事業所として決める
「自分で収めてしまう」ことが、いちばんの消耗につながります。収まったように見えても、事業所には何も残らず、次に同じことが起きます。
記録に何を書くか
| 項目 | 書くこと |
|---|---|
| 日時・方法 | いつ、送迎時か電話か面談か |
| 相手 | 誰から(続柄まで) |
| 内容 | 相手の言葉に近い形で |
| 事実確認 | 事業所内で確認した結果 |
| 対応 | 誰が、何を、いつ回答したか |
| その後 | 相手の反応、決めた方針 |
感情的な表現を避け、事実と対応を分けて書くのが基本です。この記録は、後で自分を守るものにもなります。
送迎時に長くなるとき
送迎の場面は、他の子どもを乗せたまま話し込むことになりがちです。次のように区切ってください。
- 「ここでは他のお子さんもいるので、後ほどお電話します」
- 「事業所に戻ってから、管理者と確認してご連絡します」
その場で答えなければならない、という思い込みが判断を苦しくします。確認して回答する、で構いません。
度を超えた要求を受けたとき
厚生労働省は、顧客等からの著しい迷惑行為について、事業主が相談に応じ、適切に対応するための体制整備が望ましいという考え方を示しています。次のような場合は、個人で対応する範囲を超えています。
- 長時間の電話や面談が繰り返される
- 人格を否定する発言、大声、威圧的な言動がある
- 職員個人の携帯番号や私的な連絡先を求められる
- 支援の範囲を超えた要求(家庭内の対応の肩代わりなど)が続く
個人の連絡先は渡さないでください。一度渡すと、事業所を通さないやりとりが常態化します。
相談先
事業所内で解決しない場合の相談先があります。
- 法人の本部、管理者の上位者
- 指定権者である自治体の障害福祉担当課
- 自治体の労働相談窓口(自分の労働環境の問題として)
子どもと保護者を分けて考える
保護者対応がつらいことと、子どもへの支援が嫌になることは別です。混ざると「この仕事が向いていない」という結論に飛びやすくなります。
- 子どもと関わっている時間はどうか
- つらいのは特定の保護者か、対応の体制か
- 記録や共有の仕組みがあれば変わるか
分けて考えると、辞める以外の選択肢が見えることがあります。
体調に出ているとき
連絡帳を開くのが怖い、電話が鳴ると動悸がする、休みの日も保護者のことを考えている。こうした状態が続いているなら、辞めるかどうかの判断より先に受診してください。
在職中の傷病であれば、健康保険の傷病手当金の対象になる可能性があります。退職後に発症したものは対象になりません。就業規則に定めがあれば、休職という選択肢もあります。
まとめ
- 保護者対応は事業所として受けるもの。1人で収めない
- 記録は事実と対応を分けて書く
- 個人の連絡先は渡さない
- 保護者対応のつらさと、子どもへの支援を分けて考える