不動産営業の退職では、進行中の取引をどうするかが最初の論点になります。

法律上の下限は2週間

期間の定めのない雇用契約であれば、民法627条1項により、申し入れから2週間で契約は終了します。

民法627条1項
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

実務では、就業規則の申し出期限に従って進めるのが穏当です。

実務上の目安

立場申し出の目安
一般営業1〜2か月前
店長・所長2〜3か月前
専任の宅地建物取引士を務めている3か月前以上

進行中の取引

  • 媒介契約を締結している物件
  • 契約済みで決済・引渡しがまだの案件
  • 申込みが入っていて、審査中の案件
  • 内見の予定が入っている顧客

決済・引渡しが済んでいない案件を抱えたまま辞めると、顧客と会社の双方に影響が出ます。退職日を決めるときは、この一覧を先に作ってください。

繁忙期を避ける

賃貸仲介は1〜3月が繁忙期です。この時期に抜けると、店舗全体の負担が跳ね上がります。

売買仲介は年間を通じて動きますが、決算期(3月、9月)に契約が集中する傾向があります。

専任の宅地建物取引士を務めている場合

宅地建物取引業法により、宅地建物取引業者は事務所ごとに、業務に従事する者の一定割合以上の成年者である専任の宅地建物取引士を置かなければならないとされています。

自分がこの専任の取引士になっている場合、抜けると事務所が法令上の要件を満たさなくなります。

宅地建物取引業法により、この要件に抵触することとなったときは、業者は一定の期間内に必要な措置を執らなければならないとされています。

後任が決まらないと退職日を動かせないことがあるため、通常より早い時期に申し出てください。

歩合の締め

歩合給・インセンティブの支給条件は会社によって異なります。

  • 契約時点で発生するのか、決済時点なのか
  • 在籍していないと支給されない条件があるか
  • 退職後に決済される案件の扱い

退職日によって受け取れる額が変わります。規程を先に確認してください。