分娩は予定どおりに進まないため、助産師のオンコール待機は生活全体に影響します。辞めたい理由としてよく挙がるものです。

オンコール待機は労働時間か

待機時間が労働時間にあたるかどうかは、待機中の行動がどの程度制約されているかによって判断されます。

呼び出しに備えて事実上その場を離れられない状態であれば、労働時間と評価される余地があります。一方、自宅で自由に過ごせて、呼び出されたときだけ出勤する形であれば、待機そのものは労働時間ではないと扱われることが一般的です。

一律の答えはありません。自分の職場の実態がどちらに近いかを、記録をもとに整理してください。

手当の有無と金額

オンコール手当は法令で金額が定められているものではなく、勤務先の規程によります。まず就業規則や給与規程で、

  • オンコール手当の額
  • 呼び出されて出勤した場合の割増賃金
  • 深夜(22時〜翌5時)の割増

がどうなっているかを確認してください。呼び出しに応じて実際に働いた時間は労働時間なので、割増賃金の対象になります。

在職中に残しておく記録

辞めた後では集められません。

  • オンコールの回数と日付
  • 実際に呼び出された回数と時間帯
  • 呼び出し後、翌日の勤務があったかどうか
  • 勤怠記録・給与明細の写し

「月に何回オンコールに入ったか」を自分で説明できる状態にしておくと、労働条件の改善を求めるときも、転職の面接で説明するときも役に立ちます。

改善を求める先

  • 勤務先の看護部長・師長
  • 勤務先の労働組合
  • 勤務先の産業医(長時間労働者への面接指導)
  • 都道府県労働局の総合労働相談コーナー(無料)

それでも辞める判断をするとき

負担が理由の退職は、後ろめたく感じる必要のないものです。心身の不調が出ている場合は、辞めるかどうかを決める前に受診してください。

健康保険の傷病手当金は、業務外の病気やけがで働けない期間の生活を支える制度です。休職という選択肢が使えるかを確認したうえで判断しても遅くありません。

働き方を変えるという選択肢

分娩を扱わない職場に移ることで、オンコールから離れられる場合があります。

  • 産後ケア施設、母乳外来
  • 自治体の母子保健部門
  • 企業の産業保健
  • 学校の養護教諭(別途、養護教諭免許が必要)

助産師・保健師の資格が活かせる職場は分娩取扱い施設だけではありません。辞める前に、資格を活かせる別の働き方を調べる価値があります。