生活相談員は、業務の幅が広い割に、給与がそれに見合っていないと感じやすい職種です。辞める前に、確認できることが残っていないかを見てください。
まず、自分の労働条件を書面で確認する
労働条件は、書面で明示されることになっています(労働基準法15条1項)。手元にない場合は、施設に交付を求めてください。
確認するもの。
| 見る書類 | 確認する内容 |
|---|---|
| 労働条件通知書・雇用契約書 | 基本給、手当の内訳、所定労働時間 |
| 給与明細 | 実際の支給額と控除、残業代の計算 |
| 就業規則・給与規程 | 昇給の仕組み、手当の支給条件、賞与の扱い |
| 勤務記録 | 実際の労働時間 |
「なんとなく少ない」ではなく、どの項目がどうなっているかを見ると、話ができる材料になります。
処遇改善の加算がどう配分されているか
介護報酬には、職員の処遇改善のための加算があります。加算の名称や要件は改正されるため、現在どの加算が算定されているかは、施設の管理者や事務に確認してください。
確認したいのは次の点です。
- 施設がその加算を算定しているか
- 生活相談員が配分の対象に含まれているか
- 配分の方法(基本給に入っているか、手当か、一時金か)
加算の配分方法は施設が決めます。対象職種の範囲は制度上柔軟になってきていますが、実際に誰にいくら配るかは施設の判断です。給与明細のどこに反映されているか分からなければ、聞いてよいことです。
残業代が支払われているか
生活相談員は、家族対応や書類作成が定時後にずれ込みやすい職種です。次を確認してください。
- 実際の労働時間が記録されているか
- 記録された時間に対して割増賃金が支払われているか
- 固定残業代(みなし残業)がある場合、何時間分か、超えた分が支払われているか
固定残業代は「それ以上働かせてよい」という制度ではありません。定めた時間を超えた分は、別途支払われる必要があります。
賃金請求権には時効がある
未払いがある場合、請求できる期間には限りがあります。労働基準法115条は賃金の請求権について定めており、現在は当分の間3年とされています。この期間は法改正で変わることがあるため、自分のケースにどう適用されるかは労働基準監督署で確認してください。
古い分から順に時効にかかります。迷っている間に請求できる範囲が減ります。
話をする順番
- 1 労働条件通知書、給与規程、給与明細を並べて、自分で計算する
- 2 分からない点を、事務や管理者に確認する(記録が残る形が望ましい)
- 3 説明に納得できない、あるいは未払いがあると考えられる場合は、労働基準監督署に相談する
いきなり外部に相談するより、施設に確認した記録があるほうが話が早く進みます。
昇給の見込みを確認する
給与規程に昇給の仕組みが書かれていても、実際に運用されているとは限りません。次を聞いてよいことです。
- 昇給の判断は誰が、いつ行うか
- 評価の基準は何か
- 資格を取得した場合の手当があるか
「聞くと角が立つ」と思って聞かないまま辞める人が多いのですが、聞いた結果で判断するほうが納得できます。
それでも納得できないなら
確認と相談をしたうえで変わらないなら、辞める判断は妥当です。同じ職種でも、施設や法人によって給与水準は大きく違います。次を探すときは、求人票の金額だけでなく、手当の内訳、固定残業代の有無、賞与の実績を確認してください。
まとめ
- 労働条件通知書・給与規程・給与明細を並べて自分で計算する
- 処遇改善の加算がどう配分されているかは聞いてよい
- 固定残業代を超えた分は別途支払われる必要がある
- 賃金請求権には時効がある。迷っている間に範囲が減る