人事担当が退職するとき、自分の手続きを自分でやるという状況が起きます。これは避けられないこともありますが、注意が必要です。
なぜ問題になるか
- 手続きの正確性を第三者が確認できない
- 有利な処理をしたと疑われる余地が残る
- 間違えたときに気づく人がいない
自分の離職票の離職理由を自分で書くという状況は、後でトラブルになり得ます。
望ましい進め方
- 1 自分以外の担当者を決める(上司、後任、顧問社労士)
- 2 自分は資料の提供と説明に徹する
- 3 処理内容を確認してもらい、記録を残す
顧問社労士がいる会社なら、自分の分だけ外部に依頼するのがもっとも整理しやすい方法です。
自分でやらざるを得ない場合
- 処理内容を上司に確認してもらい、承認の記録を残す
- 離職理由は事実に基づいて記載し、上司の確認を得る
- 自分の処理だけ、通常より丁寧に証跡を残す
漏れやすい項目
人事担当は他人の手続きに慣れている分、自分の分を後回しにして漏らすことがあります。
- 自分の離職票の作成・交付
- 自分の健康保険資格喪失証明書
- 自分の源泉徴収票(退職後1か月以内に交付する義務があります)
- 自分の住民税の異動届
- 自分の社会保険の資格喪失届
所得税法により、給与等の支払をする者は、退職した受給者に対し、退職の日以後1か月以内に源泉徴収票を交付しなければならないとされています。自分の分も同じです。
退職金の計算
自分の退職金を自分で計算する場合、規程の解釈が自分に有利になっていないかを第三者に確認してもらってください。
- 勤続年数の計算(端数の扱い)
- 基礎となる賃金の範囲
- 自己都合と会社都合の支給率の違い
引き継ぎの相手がいないとき
後任が決まっていない状態で退職する場合、自分の手続きを誰がやるのかが宙に浮きます。
- 顧問社労士に依頼する体制を作ってから辞める
- 上司に手順書を渡し、期限を明示する
- 年金事務所・ハローワークの担当者に事情を伝えておく
「自分が辞めた後、自分の書類を誰が出すのか」を退職前に確定させてください。
記録を残す理由
人事担当は、退職後に「あの処理はどうなっていたか」と問い合わせを受けることがあります。
引き継ぎ資料と処理の記録を社内に残しておけば、退職後に個人的に対応する必要がなくなります。これは自分を守るための作業でもあります。