時間外労働の上限規制
労働基準法により、時間外労働の上限は原則として月45時間・年360時間です。特別条項を結んだ場合でも、年720時間、複数月平均80時間、月100時間未満といった上限があります。
建設事業には、この上限規制が2024年4月から適用されています。猶予期間は終了しています。
ただし、災害の復旧・復興の事業については、複数月平均80時間以内・月100時間未満の要件が適用されないという扱いがあります。
自分の会社に36協定があるか、その内容がどうなっているかは、事業場で周知されているはずです。確認してください。
割増賃金
- 時間外労働……2割5分以上
- 深夜(22時〜翌5時)……2割5分以上
- 法定休日の労働……3割5分以上
- 月60時間を超える時間外労働……5割以上(中小企業にも適用されています)
「日給だから残業代は出ない」という説明は誤りです。日給制でも、1日8時間・週40時間を超えた分には割増賃金が必要です。
移動時間の扱い
現場への移動時間が労働時間にあたるかは、実態によって判断されます。
- 事務所に集合してから現場へ向かう場合、集合後の移動は労働時間と扱われるのが一般的
- 直行直帰で、移動中に業務の指示を受けない場合は、通勤に近い扱いになることがある
- 資材の積み込みなど、作業を伴う場合は労働時間
「実態がどうか」で判断されます。契約書の記載だけで決まるものではありません。
記録を残す
- 出勤・退勤の時刻(自分でもメモする)
- 現場への到着・出発の時刻
- 給与明細
- 作業日報の写し
在職中でないと集められません。日報を書いている場合は、その写しが有力な記録になります。
相談先
- 労働基準監督署(労働時間、割増賃金の問題)
- 都道府県労働局の総合労働相談コーナー(無料)
- 建設業労働災害防止協会(安全に関する相談)
未払いの割増賃金は退職後でも請求できます。ただし時効があるため、放置しないでください。
体の負担
高所作業、重量物の運搬、狭所での姿勢が続く仕事です。
業務が原因の腰痛は労災保険の対象になり得ます。厚生労働省は業務上の腰痛の認定基準を示しており、認められれば治療費や休業補償の対象になります。
退職後だと申請が難しくなるものがあります。在職中に確認してください。
働き方を変えるという選択肢
- ビルメンテナンス・設備管理(現場を移動しない)
- 施工管理(現場作業が減る)
- 電気保安協会、保安管理業務
- メーカーの技術サポート
電気の資格と経験が活かせる働き方は、施工現場だけではありません。