当直やオンコールの負担は、医師が退職を考える理由として繰り返し挙がるものです。制度がどうなっているかを知っておくと、辞める・残るの判断材料になります。

宿日直許可という枠組み

労働基準法41条3号は、監視又は断続的労働に従事する者について、行政官庁の許可を受けた場合に労働時間・休憩・休日の規定を適用しないと定めています。

病院の当直がこの許可を受けている場合、当直時間は通常の労働時間として扱われません。一方、許可がない当直や、許可の範囲を超えて通常の診療を行っている場合は、労働時間として扱われます。

自分の当直がどちらなのかは、勤務先の労務担当に確認できます。当直中の実態が通常の診療と変わらないのに宿日直として扱われている場合は、労働時間の扱いに疑問を持つ余地があります。

医師の時間外労働の上限規制

医師の時間外・休日労働には、2024年4月から上限規制が適用されています。医療機関が指定を受けた水準によって上限が異なる仕組みです。

自分の勤務先がどの水準の指定を受けているか、面接指導や休息時間の確保がどう運用されているかは、勤務先の医師労働時間短縮計画や労務担当への確認で分かります。

オンコールの扱い

オンコール待機の時間が労働時間にあたるかどうかは、待機中の行動がどの程度制約されているかによって判断されます。呼び出しに備えて事実上その場を離れられない状態であれば、労働時間と評価される余地があります。

一律の答えはないため、実態に即した確認が必要です。

記録を残しておく

負担を理由に退職や労働条件の改善を求める場合、記録があるかどうかで話の進み方が変わります。

  • 当直・オンコールの回数と日付
  • 当直中に実際に行った診療の内容と時間帯
  • 翌日の勤務の有無
  • 勤怠記録の写し

これらは在職中でないと集められません。辞めることを考え始めた段階で、手元に残しておいてください。

相談できる先

  • 勤務先の産業医(長時間労働者への面接指導)
  • 勤務先の労働組合
  • 都道府県労働局の総合労働相談コーナー(無料)
  • 各都道府県の医師会

それでも辞める判断をするとき

負担が理由の退職は、後ろめたく感じる必要のないものです。心身の不調が出ている場合は、辞めるかどうかを決める前に、まず受診と休職の可否を確認してください。休職を経てから判断しても遅くありません。