免許は個人の資格

歯科技工士免許は個人に与えられた資格です。退職しても免許に影響はなく、勤務先に返す性質のものではありません。免許証の原本は本人が保管します。

勤務先に写しを提出している場合、その扱いは勤務先の規程によります。

歯科技工所を開設する場合

歯科技工士法により、歯科技工所を開設した者は、開設後の期間内に、開設地の都道府県知事に届け出なければならないとされています。

歯科技工士法21条1項
歯科技工所を開設した者は、開設後十日以内に、開設の場所、管理者の氏名その他厚生労働省令で定める事項を歯科技工所の所在地の都道府県知事に届け出なければならない。

また、歯科技工所には管理者を置くこと、構造設備が定められた基準に適合することなどが求められます。

手続きの運用は自治体によって異なります。開設予定地の保健所に、早い段階で直接確認してください。

競業避止条項の確認

雇用契約書や誓約書に、退職後一定期間・一定範囲で競合する事業を行わない旨の条項が入っていることがあります。

こうした条項が常に有効というわけではありません。裁判では、期間・地域・対象業務の範囲、代償措置の有無などから、合理的な範囲かどうかが判断されます。

ただし一般論だけで開設地や取引先を決めるのは危険です。契約書に定めがある場合は、独立の準備を進める前に弁護士に相談してください。

在職証明・実務経験

技工所の管理者になる場合や、転職の際に実務経験の証明を求められることがあります。

退職してからだと依頼しにくくなります。必要になりそうな場合は、在職中に証明書を発行してもらってください。

労働基準法22条により、使用期間・業務の種類・その事業における地位・賃金・退職の事由について証明書を請求すれば、使用者は遅滞なく交付しなければならないとされています。

作品・症例の記録

転職の際に、自分の技工物を作品として見せることがあります。

患者が特定できる情報は持ち出せません。また、会社の設備・材料で作った技工物の写真を、無断で持ち出すことが問題にならないかは、勤務先の規程を確認してください。

道具の扱い

歯科技工士は個人の道具を使うことが多い職種です。

  • 自分で買った道具は私物
  • 会社が支給・貸与した道具は返却対象
  • 会社の費用で買ったが個人管理していた道具は、扱いを確認する

退職時にもめやすい部分です。購入時のレシートや、支給時の記録が残っていれば整理が早く済みます。