仕掛かり品の一覧
- 受注日・納期・患者イニシャルなど、社内で使っている管理番号
- 現在の工程(ワックスアップ、鋳造、築盛、研磨など)
- 使用している材料とシェード
- 再製作の場合はその経緯
納期が退職日より後のものは、誰が仕上げるかを明示してください。
歯科医院ごとの好み
技工物の評価は、担当する歯科医師の好みに左右されます。ここが引き継ぎで最も抜けやすい部分です。
- シェードの合わせ方(写真の撮り方、色調の傾向)
- 形態の好み(咬合面の彫り、豊隆の付け方)
- コンタクトの強さ
- 過去にやり直しになった理由
「この先生はここを見る」という情報を文書にしてください。これがないと、後任は同じやり直しを繰り返します。
連絡の経緯
- 担当医師・歯科助手の連絡先(社内の共有先へ移す)
- 発注方法(電話、専用システム、メール)
- 急ぎの依頼が来たときの対応の仕方
個人の携帯に入っている医院の連絡先を、会社の共有資料に移してください。退職後に自分へ連絡が来る状態を残さないことが、双方のためになります。
デジタル技工のデータ
CAD/CAM を使っている場合、データの扱いを明確にします。
- 設計データの保存場所と命名規則
- 使用しているソフトのライセンスとアカウント
- ミリングマシン・3Dプリンターの設定値
- 材料ごとの加工条件
設定値やノウハウが個人のPCに入っている場合は、会社の共有領域へ移してください。
模型・技工指示書
技工指示書は歯科技工士法に基づく書類で、保存の義務があります。歯科技工所の管理者は、指示書を保存しなければならないとされています。
歯科技工士法19条
病院、診療所又は歯科技工所の管理者は、当該病院、診療所又は歯科技工所で行われた歯科技工に係る指示書を、当該歯科技工が終了した日から起算して二年間、保存しなければならない。
指示書を持ち出さないでください。保存義務は事業所側にあります。
独立を考えている場合
- 顧客である歯科医院のリストを持ち出さない
- 医院ごとの好みをまとめた資料も、会社の資産として作成したものは持ち出さない
- 在職中に取引先へ独立後の営業をかけない
独立後に、医院が自分の判断で発注してくることは自由です。在職中の働きかけが問題になります。