塾講師の労働時間をめぐるトラブルで多いのが、コマ以外の時間が無給になっているケースです。
労働時間にあたるかの考え方
労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいいます。塾から指示されて行っている業務であれば、コマの時間外でも労働時間にあたります。
労働時間にあたる可能性が高いもの:
- 塾から指示された授業準備・教材作成
- 授業報告書・指導報告書の作成
- 保護者への電話連絡
- ミーティング・研修への参加
- 生徒の質問対応の待機時間
- 教室の開錠・清掃
「準備は自主的なもの」という説明を受けていても、実態として塾が求めている業務であれば労働時間になりえます。
賃金は全額支払わなければならない
労働基準法24条は、賃金は通貨で直接労働者にその全額を支払わなければならないと定めています。労働時間に対する賃金が支払われていなければ、未払い賃金となります。
請求する場合に必要なもの
退職してからでは集められないので、在職中に手元へ残してください。
- タイムカード・勤怠記録の写し
- シフト表
- 給与明細(できる限り遡って)
- 授業報告書の提出履歴
- 業務指示が分かるメール・チャットの記録
- 雇用契約書・労働条件通知書
準備時間の実態を示すには、何時に出勤して何時に退勤したかの記録が重要です。タイムカードがない塾では、自分でメモや写真の記録を残しておきます。
相談先
- 労働基準監督署: 賃金の不払いについて
- 総合労働相談コーナー: 各都道府県労働局に設置
金額が大きく、話し合いで解決しない場合は弁護士への相談も選択肢になります。
退職代行を使う場合の注意
未払い賃金の請求は法律事務にあたるため、民間業者の退職代行では扱えません。労働組合は団体交渉の議題にできますが、訴訟が必要になる場合は弁護士が必要です。
未払い賃金を請求する予定があるなら、依頼先を選ぶ段階で伝えてください。
時効に注意
賃金請求権には時効があります。気づいた時点で早めに相談してください。