退職後に同業の塾で働く、あるいは個人で指導を続けたいと考えるとき、確認しておくべき点があります。
雇用契約書・誓約書を確認する
次の条項があるかを見てください。
- 競業避止義務: 退職後、一定期間・一定地域で同業の仕事をしないという取り決め
- 秘密保持義務: 生徒情報・教材・ノウハウを外部に持ち出さない義務
- 引き抜き禁止: 生徒や他の講師を勧誘しない義務
在職中に写しを取っておいてください。退職後に「見せてほしい」と頼んでも応じてもらえないことがあります。
競業避止義務の考え方
競業避止義務の定めがあっても、その内容が無制限に有効とは限りません。職業選択の自由との関係で、期間・地域・職種の範囲が合理的かどうかが問題になります。
ただし、有効性の判断は個別の事情によります。同業への転職や独立を予定していて、契約書に競業避止の条項がある場合は、弁護士に相談するのが確実です。
生徒の引き抜きは避ける
退職後に担当していた生徒を自分の指導に誘導する行為は、契約違反として問題になりやすいものです。
- 在職中に生徒・保護者の連絡先を個人的に控える
- 退職の際に「今後は個人的に見ます」と伝える
- SNSで担当生徒に個別に連絡する
これらは避けてください。生徒の連絡先は塾の顧客情報であり、個人が持ち出してよいものではありません。
在職中の掛け持ちについて
就業規則で副業・兼業が禁止されている場合があります。他塾での勤務や家庭教師をしている場合、退職の前に規程を確認してください。
退職後に個人で指導する場合
競業避止義務の期間が過ぎている、あるいは条項がない場合でも、次の点は守ってください。
- 前の塾の教材・テストをそのまま使わない
- 前の塾で作成した指導記録を持ち出さない
- 生徒側から自発的に連絡があった場合でも、契約内容を確認してから対応する
転職先での注意
同業他社に転職する場合、面接で前職の生徒数や売上などの内部情報を話すことは避けてください。秘密保持義務に触れる可能性があります。