塾は講師の確保が難しく、退職を伝えると引き止められることが多くあります。パターン別に対応を整理します。
パターン1「担当の生徒が困る」
最も断りにくい引き止めです。
後任の確保は塾側の責任であり、講師個人が抱えるべきものではありません。誠意を示す方法は、辞めないことではなく、引き継ぎ資料を丁寧に作ることです。
返答例: 「担当している生徒の引き継ぎ資料は、後任の方が困らない形で必ず作成します。退職の意思は変わりません。」
パターン2「せめて年度末まで」
期間の定めのない雇用契約であれば、年度に縛られる法的な理由はありません。ただし、自分の事情が許すなら区切りに合わせるのは円満です。
続けられない事情がある場合は、はっきり伝えてください。
返答例: 「体調のことがあり、年度末までの継続は難しい状況です。◯月◯日を退職日とさせてください。」
パターン3「代わりが見つかるまで」
期限のない条件です。これに応じると退職時期が決まりません。
返答例: 「退職日は◯月◯日でお願いします。それまでに引き継ぎができるよう準備を進めます。」
パターン4 待遇の改善を提示される
コマ単価の引き上げ、担当コマ数の調整、教室の異動などを提案されることがあります。
条件が改善されても、退職を考えた根本的な理由が解決するとは限りません。「なぜ辞めたいのか」を書き出して、それが解消されるかで判断してください。
パターン5「損害賠償を請求する」
退職したこと自体を理由に損害賠償が認められることは通常ありません。また労働基準法16条は、労働契約の不履行について違約金を定めることを禁止しています。
実際に書面が届いた場合は弁護士に相談してください。
引き止めに強い伝え方
- 「相談」ではなく「報告」の形にする — 「辞めようか迷っている」と言うと引き止めの余地を与えます
- 退職日を明示する — 「いずれ」ではなく「◯月◯日をもって」と具体的に伝えます
- 書面を出す — 口頭だけだと「聞いていない」と言われることがあります
それでも受け入れられない場合
退職届を内容証明郵便で運営会社の代表者宛に送ります。到達した時点で退職の意思表示は効力を生じます。