バスは、早朝・深夜の乗務や、中休みを挟む長い拘束時間が続く仕事です。
改善基準告示
厚生労働省は、「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(改善基準告示)を定めています。
この告示では、バス運転者について、拘束時間、休息期間、運転時間などの上限が定められています。
改正された内容が2024年4月1日から適用されています。
- 1日の拘束時間の上限と、延長できる回数
- 1か月・1年の拘束時間の上限
- 勤務終了後の休息期間
- 連続運転時間の上限
具体的な数値は、厚生労働省または地方運輸局の資料で確認してください。
古い記事には改正前の数値が残っています。必ず現行の告示を確認してください。
中休み(分割勤務)の扱い
路線バスでは、朝と夕方の乗務の間に長い空き時間が入ることがあります。
この時間が休憩なのか、拘束時間なのかで、労働時間の評価が変わります。
- 完全に自由に過ごせる → 休憩
- 営業所での待機を求められる → 拘束時間として評価される余地がある
実態がどうかで判断されます。自分の職場の運用を確認してください。
割増賃金
- 時間外労働……2割5分以上
- 深夜(22時〜翌5時)……2割5分以上
- 法定休日の労働……3割5分以上
- 月60時間を超える時間外労働……5割以上(中小企業にも適用されています)
早朝の出庫や深夜の帰庫が、割増の対象になっているか給与明細で確認してください。
記録を残す
- 出勤・退勤の時刻
- 出庫・帰庫の時刻
- 中休みの時間と、その間の過ごし方
- 給与明細
- 点呼記録(自分の分)
在職中でないと集められません。
健康診断
労働安全衛生法により、事業者には労働者に対する健康診断の実施が義務づけられています。
深夜業に従事する労働者については、より短い間隔での健康診断が求められています。
バス・タクシーの運転者については、健康起因事故の防止のため、睡眠時無呼吸症候群や脳・心臓疾患のスクリーニングが推奨されています。
眠気や体調不良が続いている場合は、辞めるかどうかを決める前に受診してください。治療で改善する場合があります。
相談先
- 労働基準監督署(労働時間、割増賃金)
- 地方運輸局(改善基準告示の違反、運行管理の問題)
- 都道府県労働局の総合労働相談コーナー(無料)
改善基準告示に違反している疑いがある場合、労働基準監督署から地方運輸局に通報される仕組みがあります。
働き方を変えるという選択肢
- 貸切から路線へ、路線から貸切へ
- 送迎バス(企業、学校、施設、ホテル)
- 特定輸送(従業員送迎など)
- 運行管理者として内勤に移る
- トラックなど貨物運送
大型二種と運転の経験は、他の職場でも通用します。
体調に出ているとき
運転の仕事は、体調不良が事故に直結します。無理を続けることは、自分だけの問題ではありません。
眠れない、集中力が落ちた、日中に強い眠気があるといった状態が続いているなら、まず受診してください。