航空業界では、シフトの開始時刻と実際の拘束開始が異なることがあります。労働時間の考え方を整理します。

労働時間にあたる可能性が高いもの

労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいいます。

  • 制服への着替え — 会社が着用を義務づけ、指定の場所で行うことを求めている場合、労働時間にあたる可能性があります
  • ブリーフィング(打ち合わせ) — 参加が義務づけられていれば労働時間です
  • 出発前の準備・到着後の後処理
  • 遅延・欠航時の延長対応
  • 緊急時対応の訓練・定期審査

「シフトは8時からだが、実際は7時30分に集合している」という運用があれば、その30分の扱いを確認してください

深夜割増と休日割増

  • 深夜労働(午後10時〜午前5時): 割増賃金が必要です
  • 法定休日の労働: 割増賃金が必要です
  • 時間外労働: 法定労働時間を超える部分に割増賃金が必要です

早朝勤務で午前5時前に始業している場合、5時までの部分は深夜労働です。深夜割増が正しく計算されているかを確認してください

変形労働時間制の確認

1か月単位または1年単位の変形労働時間制を採用している場合があります。この場合、特定の日や週に法定労働時間を超えて働かせることができますが、あらかじめ勤務日と労働時間が特定されている必要があります

後から自由に変更できるものではありません。

確認する資料

  • 給与明細(基本給、乗務手当、各種手当、割増賃金の内訳)
  • 勤怠記録・乗務記録
  • シフト表・乗務割
  • 就業規則・賃金規程
  • 労使協定(変形労働時間制・36協定)

在職中に写しを取ってください。退職後は入手が困難になります。

請求する場合

  1. 1 資料を集めて、実際の労働時間と支払われた賃金を突き合わせる
  2. 2 会社に説明を求める
  3. 3 労働組合がある場合は相談する
  4. 4 解決しない場合は労働基準監督署に相談する

金額が大きく話し合いで解決しない場合は、弁護士への相談も選択肢です。

手当の性質を確認する

航空業界では、乗務手当・時間外手当・調整手当など、さまざまな手当が支給されます。

「この手当に時間外労働分が含まれている」という説明を受けている場合、その手当が何時間分に相当するかを確認してください。固定残業代として扱われている場合、それを超える時間外労働には別途割増賃金が必要です。

時効に注意

賃金請求権には時効があります。気づいた時点で早めに相談してください。