航空業界では、乗務員の配置拠点(ベース)や空港の所属が変わる異動があります。転居を伴う場合、生活への影響が大きくなります。
配置転換は原則として会社の権限
就業規則や労働契約に「業務上の必要により配置転換を命じることがある」という定めがあれば、会社には配置転換を命じる権限があります。
ただし、その権限も無制限ではありません。業務上の必要性がない場合や、労働者に通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を与える場合には、権利の濫用として無効になることがあります。
断れる可能性がある事情
- 家族の介護が必要で、転居すると介護ができなくなる
- 子の養育に支障が生じる
- 本人または家族の治療の継続が困難になる
育児介護休業法は、事業主が労働者を転勤させようとする場合、子の養育や家族の介護の状況に配慮しなければならないとしています。
事情がある場合は、書面で具体的に伝えてください。口頭だけだと記録が残りません。
勤務地限定の契約になっていないか
雇用契約書や労働条件通知書に、勤務地が限定されている記載がないか確認してください。
- 「勤務地: ○○空港」と特定されている
- 「地域限定職」「エリア職」として採用されている
勤務地が限定されている場合、それを超える異動には本人の同意が必要になります。
退職を選ぶ場合の離職理由
転居を伴う配置転換に応じられず退職する場合、失業保険の離職理由の扱いが問題になります。
事業所の移転や配置転換により通勤が困難になったことによる離職は、特定受給資格者または特定理由離職者に該当する可能性があります。認定されれば給付制限がかからず、所定給付日数が増える場合もあります。
ハローワークで事情を説明してください。異動の辞令、通勤にかかる時間が分かる資料を持参します。
会社と話し合う順序
- 1 異動を打断できない事情を、書面で具体的に伝える
- 2 代替案(時期の延期、別の拠点、地上職への変更)を相談する
- 3 折り合わない場合に退職を検討する
いきなり退職を申し出るのではなく、配慮を求める記録を残してください。その記録は、離職理由を判断する際の材料にもなります。
退職届の書き方
理由欄は「一身上の都合により」で足ります。異動への不満は書きません。
離職票の離職理由については、会社が記載した内容を確認し、実態と違う場合はハローワークで異議を申し立ててください。