転職活動が長引いたとき
活動が想定より長引き、給付日数が尽きそうになったときに知っておきたいのが延長給付です。 雇用保険法は所定給付日数を超えて基本手当を支給できる場合を4種類定めており、 そのうち訓練延長給付は自分から動いて使えるものです。 ただし、いずれも日数が尽きてから慌てても間に合いません。
このページで参照している法令・公式情報
- 雇用保険法20条(支給の期間及び日数)
- 雇用保険法24条(訓練延長給付)・24条の2(個別延長給付)・25条(広域延長給付)・27条(全国延長給付)
- ハローワーク 基本手当の所定給付日数
尽きる前に確認すること
| 確認する項目 | 内容 |
|---|---|
| 支給残日数 | 受給資格者証で確認できる。認定日ごとに減っていくため、残り何回分かを把握する |
| 受給期間の満了日 | 離職の日の翌日から1年。残日数があっても、この日を過ぎると支給されない |
| 公共職業訓練の募集時期 | 訓練は開講日が決まっているため、受講を考えるなら早めにハローワークで相談する |
| 再就職手当の要件 | 支給残日数が所定給付日数の3分の1以上残っているうちに決まれば対象になり得る |
見落とされやすいのが受給期間の満了日です。 雇用保険法20条1項1号により、受給期間は離職の日の翌日から起算して1年。 所定給付日数が残っていても、この日を過ぎれば支給されません。 受給資格者証で満了日を確認しておいてください。
雇用保険法が定める4つの延長給付
訓練延長給付雇用保険法24条
公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受ける場合に、その期間内の失業している日について所定給付日数を超えて支給できる。受給期間も訓練を受け終わる日まで延びる
個別延長給付雇用保険法24条の2
特定理由離職者または特定受給資格者のうち、心身の状況が一定の基準に該当する者、激甚災害等により離職を余儀なくされた者などが対象
広域延長給付雇用保険法25条
厚生労働大臣が指定した地域について、広範囲の地域にわたる職業紹介活動により職業のあっせんを受けることが適当と認定された受給資格者が対象
全国延長給付雇用保険法27条
失業の状況が全国的に著しく悪化し、政令で定める基準に該当した場合に厚生労働大臣が決定する措置
広域延長給付と全国延長給付は、厚生労働大臣が地域や全国の状況をみて決定する措置です。 個人の事情で申請するものではありません。
訓練延長給付が現実的な選択肢
雇用保険法24条1項は、受給資格者が公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受ける場合、 その訓練を受ける期間内の失業している日について、 所定給付日数を超えて基本手当を支給することができるとしています。 訓練を受けるために待期している期間(政令で定める期間に限る)も含まれます。
さらに同条3項は、この給付を受ける受給資格者が 20条1項および2項による期間を超えて訓練を受けるときは、受給期間は当該公共職業訓練等を受け終わる日までの間とすると定めています。通常なら1年で切れる受給期間が、訓練の終了日まで延びます。
同条2項には、訓練を受け終わる日の支給残日数が政令で定める日数に満たない受給資格者で、訓練を受け終わってもなお就職が相当程度に困難と公共職業安定所長が認めた場合に、さらに支給できる規定もあります。
公共職業訓練は開講の時期が決まっており、申込みから選考を経て受講が始まります。 給付日数が残り少なくなってから相談しても間に合わないことがあるため、活動が長引きそうだと感じた段階でハローワークに相談してください。
個別延長給付の対象
雇用保険法24条の2の個別延長給付は、対象が限られています。 就職が困難な受給資格者以外の受給資格者のうち、特定理由離職者(厚生労働省令で定める者に限る) または特定受給資格者であって、次のいずれかに該当し、 かつ公共職業安定所長が再就職を促進するために必要な職業指導を行うことが適当と認めた場合が対象です。
- ・心身の状況が厚生労働省令で定める基準に該当する者
- ・激甚災害の被害を受けたため離職を余儀なくされた者等で、 厚生労働大臣が指定する地域内に居住する者
- ・激甚災害その他の災害の被害を受けたため離職を余儀なくされた者等
自己都合による離職で、心身の状況にも災害にも該当しない場合は対象になりません。 離職理由の区分については自己都合退職と会社都合退職の違いをご覧ください。
早く決まったほうが有利な設計
給付日数を使い切ってから就職するより、 残っているうちに決まったほうが金銭的に有利になる仕組みがあります。 再就職手当は、支給残日数が所定給付日数の3分の2以上なら70%、 3分の1以上なら60%の支給率です。
要件と計算方法は再就職手当はいくら?で解説しています。
よくある質問
Q. 公共職業訓練と教育訓練給付は違うものですか?
違います。公共職業訓練は公共職業安定所長の指示により受けるもので、 受講中に訓練延長給付の対象になり得ます。 教育訓練給付金は厚生労働大臣が指定する教育訓練を自分で受講し、 費用の一部が支給される制度です。詳しくは教育訓練給付金の種類と受給要件をご覧ください。
Q. 給付が終わった後も職業相談は受けられますか?
受けられます。厚生労働省のしおりにも 「支給終了後も、職業相談はいつでも受け付けています」と記載されています。 遠方の求人に応募する場合の広域求職活動費など、 受給資格者向けの支援制度もあります。詳しくは広域求職活動費・移転費・求職活動支援費をご覧ください。
Q. 病気で活動できない期間がある場合は?
引き続き30日以上職業に就くことができない場合は、 申し出により受給期間を延長できます(雇用保険法20条1項)。 加算後の期間は最長4年です。手続きは失業保険の受給期間延長をご覧ください。