広域求職活動費・移転費・求職活動支援費
転職活動には交通費や宿泊費、引っ越し費用、面接中の保育費用といった実費がかかります。 雇用保険の受給資格者であれば、これらの一部が給付として支給される場合があります。 基本手当ほど知られていませんが、条文に定めのある制度です。 いずれもハローワークの紹介や職業指導が前提である点が共通しています。
このページで参照している法令・公式情報
- 雇用保険法58条(移転費)・59条(求職活動支援費)
- 厚生労働省 移転費、広域求職活動費、短期訓練受講費、求職活動関係役務利用費について
- ハローワーク 就職促進給付
4つの給付
広域求職活動費雇用保険法59条1項1号
対象:ハローワークの紹介により、遠方の事業所で面接などを行う場合
支給内容:交通費および宿泊料
短期訓練受講費雇用保険法59条1項2号
対象:ハローワークの職業指導により、再就職のために1か月未満の教育訓練を受け修了した場合
支給内容:教育訓練経費の2割(上限10万円、下限なし)
求職活動関係役務利用費雇用保険法59条1項3号
対象:面接等や教育訓練の受講のため、子のための保育等サービスを利用した場合
支給内容:本人が負担した費用の80%(1日あたりの支給上限額6,400円)
移転費雇用保険法58条
対象:紹介された職業に就くため、または指示された公共職業訓練等を受けるため住所・居所を変更する場合
支給内容:鉄道賃、船賃、航空賃、車賃、移転料および着後手当
出典:厚生労働省「移転費、広域求職活動費、短期訓練受講費、求職活動関係役務利用費について」。 金額や要件は改定されることがあるため、申請前にハローワークで確認してください。
共通する要件
雇用保険法59条1項は、求職活動支援費について公共職業安定所長が厚生労働大臣の定める基準に従つて必要があると認めたときに支給するとしています。移転費についても58条1項が同様の構造です。
つまり自分で決めて動いた後から請求する制度ではありません。 広域求職活動費はハローワークの紹介による面接であること、 移転費は紹介された職業に就くための転居であること、 短期訓練受講費はハローワークの職業指導によるものであることが前提です。 動く前にハローワークで相談してください。
移転費の対象
雇用保険法58条1項は、移転費を支給する場合として次の2つを挙げています。
- ・公共職業安定所、特定地方公共団体または職業紹介事業者の紹介した職業に就くため、 住所または居所を変更する場合
- ・公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受けるため、住所または居所を変更する場合
同条2項は、移転費の額について受給資格者等およびその者により生計を維持されている同居の親族の移転に通常要する費用を考慮して、 厚生労働省令で定めるとしています。単身での移転だけでなく、家族の移転も考慮される仕組みです。
転居を伴う転職では、退職理由の扱いにも影響することがあります。引越し・転居による退職届の書き方もあわせてご覧ください。
教育訓練に関する給付の使い分け
訓練に関する給付は複数あり、期間と経路で区別されます。
| 制度 | 位置づけ |
|---|---|
| 短期訓練受講費 | ハローワークの職業指導により1か月未満の教育訓練を受け修了した場合。経費の2割(上限10万円) |
| 教育訓練給付金 | 厚生労働大臣が指定する教育訓練を受講し修了した場合。支給要件期間が原則3年以上必要 |
| 公共職業訓練 | 公共職業安定所長の指示により受講。訓練期間中は訓練延長給付の対象になり得る |
それぞれの詳細は教育訓練給付金の種類と受給要件、転職活動が長引いたときで解説しています。
よくある質問
Q. 転職サイト経由の面接でも交通費は出ますか?
広域求職活動費は「公共職業安定所の紹介による」求職活動が対象です(雇用保険法59条1項1号)。 自分で見つけた求人への面接は対象外になります。 移転費については、職業紹介事業者の紹介した職業に就く場合も条文上の対象に含まれています。
Q. 受給中でなくても使えますか?
条文は「受給資格者等」を対象としています。 受給資格の決定を受けているかどうかで扱いが変わるため、 手続きの前に利用したい場合はハローワークで確認してください。
Q. 申請の期限はありますか?
給付ごとに申請の期限が定められています。 面接や訓練の修了、転居といった事実が生じた後に手続きするものが多いため、 事前の相談時に期限もあわせて確認しておいてください。