旅行会社の退職では、受注済みで出発前の旅行をどうするかが最初の論点になります。

法律上の下限は2週間

期間の定めのない雇用契約であれば、民法627条1項により、申し入れから2週間で契約は終了します。

民法627条1項
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

実務では、就業規則の申し出期限に従って進めるのが穏当です。

実務上の目安

立場申し出の目安
カウンター営業1〜2か月前
法人営業・団体担当2〜3か月前
手配・オペレーション2か月前
旅行業務取扱管理者を務めている3か月前以上
支店長・所長3か月前以上

旅行業務取扱管理者を務めている場合

旅行業法により、旅行業者等は、営業所ごとに、一人以上の旅行業務取扱管理者を選任しなければならないとされています。

旅行業法11条の2第1項(要旨)
旅行業者等は、営業所ごとに、一人以上の旅行業務取扱管理者を選任して、当該営業所における旅行業務に関し、旅行の取引の公正の確保、旅行の安全の確保及び旅行者の利便の増進のために必要な事項についての管理及び監督に関する事務を行わせなければならない。

自分がこの管理者に選任されている場合、抜けると営業所が法令上の要件を満たさなくなります。

後任を選任し、必要な手続きを済ませるまでに時間がかかります。通常より早い時期に申し出てください。

受注済みの旅行

  • 出発前の個人旅行の手配状況
  • 団体旅行の企画・手配の進行状況
  • 修学旅行など、日程が動かせない案件
  • キャンセル・変更の対応中の案件

出発日が決まっている案件を抱えたまま抜けると、顧客に直接影響します。退職日を決めるときは、この一覧を先に作ってください。

繁忙期を避ける

時期理由
ゴールデンウィーク前後手配と出発が集中する
夏休み(7〜8月)一年で最も忙しい
年末年始出発と手配が重なる
卒業旅行シーズン(2〜3月)学生の予約が集中する
修学旅行の時期団体担当は特に

これらを避けるのは配慮であって義務ではありません。

有期契約の場合

契約社員として働いている場合、期間の定めがあれば途中解約は原則できません。民法628条は「やむを得ない事由」があるときに限って解除を認めています。契約書で期間の定めを確認してください。