士業事務所には、資格取得を目指しながら働いている人が多くいます。専念のために辞めるかどうかは、大きな判断です。

辞める前に確認したいこと

事務所の制度

  • 試験休暇の制度があるか
  • 直前期に勤務時間を減らせるか
  • 受験費用・予備校費用の補助があるか

辞める前に、勤務を続けたまま条件を変えられないかを確認してください。言わなければ検討されないことがあります。

短時間勤務や非常勤への切り替え

正職員のまま辞めるのではなく、非常勤やパートに切り替えて実務を続ける選択肢があります。

これには実利があります。

  • 収入が完全には途切れない
  • 実務経験が継続する
  • 合格後の登録要件に実務期間が関係する資格がある

資格によっては、登録に実務経験の期間が求められます。要件は資格ごとに異なり、改正されることもあるため、所属する会や試験実施団体の最新の案内で確認してください。

生活面の確認

健康保険と年金

方法内容
任意継続退職前の健康保険を最大2年間継続できる制度。保険料は全額自己負担
国民健康保険市区町村に加入する。保険料は前年の所得で決まる
家族の被扶養者になる収入の条件を満たす場合

任意継続には退職日の翌日から20日以内という申請期限があります。

年金は、厚生年金から国民年金への切り替えが必要です。収入が減る場合、国民年金保険料の免除・納付猶予の制度が使えることがあります。市区町村または年金事務所に相談してください。

住民税

住民税は前年の所得に対して、翌年6月から翌々年5月にかけて納める仕組みです。

収入がなくなった後に、前年の所得に対する住民税を払うことになります。専念期間の資金計画に必ず見込んでください。

失業保険

雇用保険の基本手当は、「就職する意思と能力がある」ことが前提です。

試験勉強に専念している期間が、この状態にあたるかどうかは、状況によって判断されます。受給できるかどうかは、自分の状況をハローワークに正確に伝えて確認してください。虚偽の申告は不正受給になります。

期間を区切る

専念すると決めた場合、「何年まで」と期限を決めておくことが現実的です。

期限を決めずに始めると、収入がない期間が延びたときに判断が難しくなります。

復職しやすさ

士業事務所は、受験経験のある人材を評価する傾向があります。専念して不合格だった場合でも、実務経験があれば再就職の道はあります。

辞めるときに円満に辞めておくことが、後で効いてきます。引き継ぎを丁寧に行い、記録に残る形で退職手続きを済ませてください。