訪問介護は、施設と違って介護リフトなどの設備がない環境で介助することが多く、腰への負担が大きい仕事です。
辞める前に確認したい選択肢
体を痛めているとき、いきなり退職を決めると、収入が途切れたうえに治療費もかかります。先に使える制度があるか確認してください。
労災保険
業務が原因で発生した腰痛は、労災保険の対象になり得ます。
厚生労働省は業務上の腰痛の認定基準を示しており、災害性の原因によるもの(無理な動作で急に発症した場合など)と、災害性の原因によらないもの(重量物を扱う業務に相当期間従事した場合など)に分けて整理しています。
「介護の仕事だから腰痛は当たり前」ではありません。業務が原因と考えられる場合は、労災の申請を検討してください。
労災と認められれば、療養補償給付(治療費)や休業補償給付(休業4日目から)の対象になります。
申請は事業所を通じて行うのが一般的ですが、事業所が協力しない場合でも、労働者本人が労働基準監督署に直接申請できます。
傷病手当金
業務外の病気やけがで働けない場合は、健康保険の傷病手当金があります。労災の対象にならない場合の選択肢です。
休職
就業規則に休職の定めがあれば、退職せずに療養する選択肢があります。まず就業規則を確認してください。
記録を残す
- いつから症状が出たか
- どの業務で悪化したか
- 受診の記録
- 事業所に相談した日と、その内容
在職中でないと集められない記録があります。
働き方を変えるという選択肢
- 身体介護が少ない生活援助中心の担当に変えてもらう
- 施設介護(設備が整っている職場)に移る
- 福祉用具の相談員、ケアマネジャーなど、身体負担の少ない職種に転向する
訪問介護が合わないだけで、介護の資格や経験が無駄になるわけではありません。
相談先
- 労働基準監督署(労災の相談・申請)
- 都道府県労働局の総合労働相談コーナー(無料)
- 事業所の産業医(規模により選任されていない場合もあります)
それでも辞める判断をするとき
体を壊してまで続ける仕事はありません。辞める前に、労災や傷病手当金の対象になる可能性がないかだけは確認してください。退職後だと申請が難しくなるものがあります。