訪問介護の引き継ぎは、「その家に入って、その人にどう関わるか」を伝える作業です。訪問介護計画書に書いていないことが多く含まれます。

利用者ごとに残す情報

  • 訪問介護計画の内容と、実際の進め方の違い
  • 介助の手順(声のかけ方、動作の順番、使っている福祉用具)
  • 本人がこだわっている点、嫌がる関わり方
  • 体調の変化のサインと、これまでに気づいたこと
  • 家族との関係、家族から言われていること

「計画書には書いていないが、こうしないとうまくいかない」という部分がもっとも引き継ぎにくく、もっとも重要です。

家の中のこと

  • 鍵の管理方法(キーボックスの場所と番号は、事業所のルールに従って扱う)
  • 物の置き場所
  • 掃除や調理で使っている道具と、置き場所のルール
  • ペットの有無

サービス担当者会議・ケアマネとの関係

  • 担当のケアマネジャーと、これまでのやり取り
  • 直近のサービス担当者会議で共有された内容
  • 状態変化について報告した内容と、その後の経過

利用者の状態変化を自分が気づいて報告してきた場合、その経緯を後任に伝えてください。引き継ぎが切れると、変化に気づく人がいなくなります。

利用者・家族への伝え方

担当が変わることを利用者にいつ伝えるかは、必ず事業所と相談して決めてください。独断で先に伝えると、他の利用者との調整が取れなくなることがあります。

可能であれば、後任と一緒に訪問する機会を作ると、引き継ぎがスムーズです。長く関わってきた利用者ほど、この時間があるかどうかで違いが出ます。

記録と個人情報

  • 引き継ぎ資料は事業所の様式で作成・保管する
  • 利用者情報を私物のスマートフォンやクラウドに残さない
  • 退職後に利用者・家族の連絡先を保有しない
  • 個人的に連絡を取り合わない

利用者から「辞めた後も来てほしい」と言われることがあります。事業所を通さない個人契約は、保険給付の対象外になるだけでなく、事故が起きたときに誰も守ってくれません。断るのが安全です。

返却するもの

  • 制服、名札、身分証
  • 利用者宅の鍵(預かっている場合)
  • 事業所の携帯電話、記録用の端末
  • 業務用の自転車・自動車の鍵