介護福祉士の受験や、上位の資格・研修の要件を満たすために、過去に働いた事業所が発行する実務経験証明書が必要になることがあります。この書類は自分では作れません。働いた事業所に書いてもらう必要があります。

退職前に依頼するのが、いちばん早い

在職中であれば、勤務実績の記録が手元にあり、担当者もあなたを知っています。退職から時間が経つほど、担当者が代わり、記録を探すところから始まります。

辞めると決めた時点で「実務経験証明書が必要になるかもしれない」と伝えておくと、後の手続きが軽くなります。まだ受験を決めていなくても、先に一部もらっておいて損はありません。

証明書に書かれる内容

実務経験証明書には、おおむね次のようなことが書かれます。

  • 事業所の名称、種別、所在地
  • 在職期間(従事した期間)
  • 従事した職種と業務内容
  • 実際に働いた日数

「在職していた期間」と「実際に働いた日数」は別物です。登録ヘルパーのように月ごとの勤務日数が変わる働き方では、この差が大きくなります。日数が要件に届いているかどうかは、勤務実績で決まります。

必要な日数や期間は、必ず一次情報で確認する

介護福祉士の受験資格や、研修の受講要件は改正されることがあります。何年、何日必要かという数字は、公益財団法人社会福祉振興・試験センターや、厚生労働省、研修を実施する都道府県の案内で、その年度のものを確認してください。このサイトの記述を根拠に判断しないでください。

複数の事業所で働いた場合

訪問介護は、複数の事業所を掛け持ちしたり、短期間で移ったりすることが珍しくありません。その場合、働いたすべての事業所から、それぞれ証明書をもらう必要があります。

状況手当て
掛け持ちしていた事業所ごとに1枚ずつ依頼する
事業所が廃止された法人本部や、指定権者である自治体に相談する
法人が変わった(事業譲渡)現在その事業を引き継いでいる法人に相談する

廃止された事業所の分は、時間が経つほど記録の追跡が難しくなります。該当する事業所がある場合は、先に手を付けてください。

依頼するときに伝えること

  • どの手続きに使うのか(受験、研修の申込みなど)
  • いつまでに必要か
  • 指定の様式があるか(試験センターや自治体の様式を使うことが多い)
  • 郵送先、または受け取り方法

様式は依頼する側が用意するのが一般的です。白紙の様式を印刷して渡すと、事業所の手間が減り、発行が早くなります。

発行を断られたとき

「もう退職した人の分は出せない」と言われることがあります。ただし、実務経験の証明は、その事業所でしか行えません。次の順で対応してください。

  1. 1 誰に、いつ、どの様式で依頼したかを記録に残す
  2. 2 法人の本部や管理者に、あらためて書面で依頼する
  3. 3 それでも進まない場合は、指定権者である自治体の介護保険担当課や、試験の実施機関に相談する

感情的なやりとりにせず、記録を残しながら進めることが、結果的にいちばん早い道です。

退職時にあわせて確認しておきたい書類

  • 離職票(失業保険の手続きに使う)
  • 雇用保険被保険者証
  • 源泉徴収票
  • 退職証明書(労働基準法22条1項により、請求があれば交付される)

労働基準法22条1項
労働者が、退職の場合において、使用期間、業務の種類、その事業における地位、賃金又は退職の事由について証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない。

退職証明書と実務経験証明書は別の書類です。退職証明書は在職の事実を示すもので、実務経験の日数までは証明しません。資格の要件に使うなら、実務経験証明書を依頼してください。

まとめ

  • 実務経験証明書は在職中に依頼すると早い
  • 在職期間と実際の勤務日数は別。日数で判断される
  • 必要な年数・日数は試験センターや自治体の最新の案内で確認する
  • 掛け持ちしていた事業所は、それぞれから1枚ずつもらう