退職代行後の書類
退職代行を使うと、その後は会社と直接やり取りしないのが通常です。 そのため「必要な書類をもらえないのでは」と不安になりますが、これらの書類の交付は法律上の義務であり、退職の伝え方とは関係ありません。会社が感情的になっていても、義務は変わりません。
受け取る書類の一覧
離職票(雇用保険被保険者離職票1・2)
- 用途
- 失業保険(基本手当)の受給手続きに必要
- 時期
- 会社がハローワークに届け出た後に交付される
- 補足
- 転職先が決まっている場合は不要
雇用保険被保険者証
- 用途
- 転職先で雇用保険に加入する際に必要
- 時期
- 退職時
- 補足
- 会社が保管していることが多い
源泉徴収票(給与所得)
- 用途
- 転職先の年末調整、または確定申告に必要
- 時期
- 退職の日以後1か月以内(所得税法226条1項)
- 補足
- 退職した年の給与分
源泉徴収票(退職所得)
- 用途
- 退職金について確定申告する場合に必要
- 時期
- 退職の日以後1か月以内(所得税法226条2項)
- 補足
- 退職金を受け取った場合
健康保険資格喪失証明書
- 用途
- 国民健康保険への加入手続きに必要
- 時期
- 退職後
- 補足
- 任意継続や扶養に入る場合も求められることがある
年金手帳・基礎年金番号通知書
- 用途
- 国民年金への切替、転職先での手続きに必要
- 時期
- 退職時
- 補足
- 会社が預かっている場合は返却を受ける
源泉徴収票は「退職の日以後1か月以内」
所得税法226条1項は次のように定めています。
(給与等の支払をする者は)その年において支払の確定した給与等について、 その給与等の支払を受ける者の各人別に源泉徴収票二通を作成し、 その年の翌年一月三十一日まで(年の中途において退職した居住者については、その退職の日以後一月以内)に、一通を税務署長に提出し、他の一通を給与等の支払を受ける者に交付しなければならない。
所得税法第226条第1項(源泉徴収票)
退職金を受け取った場合の退職所得の源泉徴収票についても、同条2項が退職の日以後1か月以内の交付を定めています。
1か月を過ぎても届かない場合は、まず会社に請求してください。 それでも交付されない場合、税務署に相談する方法があります。
離職票が届かないとき
離職票は、会社がハローワークに離職証明書を提出し、 ハローワークが交付したものが会社経由で本人に届きます。 そのため会社の手続きが止まると届きません。
対応の順序
- 1. 退職代行に依頼している場合は、代行業者を通じて会社に請求してもらう
- 2. 住所地を管轄するハローワークに相談する
- 3. ハローワークから会社に確認してもらう
退職代行を使った場合でも、本人が直接ハローワークに相談できます。 会社と連絡を取りたくない事情も伝えたうえで相談してください。
詳しい手順は離職票が届かない・もらえないときの対処法で解説しています。
貸与品の返却は記録を残して郵送する
制服・社員証・鍵・パソコン・業務書類などの貸与品は、郵送で返却するのが一般的です。
- 配達の記録が残る方法(レターパックなど)で送る
- 送る前に、返却するものを並べて写真を撮っておく
- 同封する送付状に返却物の一覧を書く
後になって「返却されていない」と言われたときに、返した事実を示せるようにしておくためです。 退職代行を使う場合、会社との関係が悪化していることも多いので、記録は丁寧に残してください。
依頼する前に自分で確保しておくもの
退職代行に依頼すると、その日から会社に立ち入らないのが通常です。 会社にしか置いていないものは取りに戻れなくなるため、依頼する前に持ち出しておく必要があります。
- 私物(デスクの中身、ロッカーの荷物)
- 給与明細・タイムカードの写し(未払い賃金を請求する可能性がある場合)
- 就業規則・退職金規程の写し(退職金の計算根拠を確認するため)
- 雇用契約書・労働条件通知書
とくに就業規則は、退職金の支払時期や有給の扱いを確認する根拠になります。 退職後に「規程を見せてほしい」と頼んでも、応じてもらえないことがあります。
書類が揃ったら進める手続き
- 健康保険任意継続は20日以内、国民健康保険は14日以内
- 国民年金退職日の翌日から14日以内
- 失業保険離職票が届いたらハローワークで手続き
- 確定申告年内に再就職しなかった場合、源泉徴収票を使って翌年に申告
期限が短いものがあります。書類が揃うのを待たずに進められる手続きもあるので、退職後にやることリストで全体を確認してください。