セクハラ・マタハラへの対応
パワハラが労働施策総合推進法で扱われるのに対し、 性的な言動と、妊娠・出産等に関する言動については男女雇用機会均等法が事業主の義務を定めています。 根拠となる条文が違うだけで、 会社に体制を整える義務があり、相談を理由とする不利益取扱いが禁止される点は同じです。
このページは男女雇用機会均等法11条・11条の3と育児・介護休業法10条の条文、特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要(ハローワーク)に基づいています。
セクハラ(均等法11条)
事業主は、職場において行われる性的な言動に対するその雇用する労働者の対応により 当該労働者がその労働条件につき不利益を受け、 又は当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、 適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。
条文は2つの類型を挙げています。応じなかったことで労働条件に不利益を受ける場合と、 言動そのものによって就業環境が害される場合です。 前者は対価型、後者は環境型と呼ばれることがあります。
マタハラ(均等法11条の3)
事業主は、職場において行われるその雇用する女性労働者に対する、 当該女性労働者が妊娠したこと、出産したこと、 労働基準法65条1項の規定による休業を請求し、 又は同項若しくは同条2項の規定による休業をしたこと その他の妊娠又は出産に関する事由に関する言動により 当該女性労働者の就業環境が害されることのないよう、 相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の 雇用管理上必要な措置を講じなければならない。
あわせて育児・介護休業法10条は、事業主は、労働者が育児休業申出等をし、 若しくは育児休業をしたことなどを理由として、解雇その他不利益な取扱いをしてはならないと定めています。制度を使ったこと自体を理由とする不利益は禁止されています。
使える制度は育児と両立するための制度にまとめています。
相談したことを理由に不利益に扱ってはならない
均等法11条2項は、事業主は、労働者が相談を行つたこと又は事業主による当該相談への対応に協力した際に事実を述べたことを理由として、 当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならないと定めています。
パワハラについての労働施策総合推進法30条の2第2項と同じ構造です。 相談した本人だけでなく、調査に協力して事実を述べた人も保護されます。
離職理由の区分にかかわる
ハローワークが公表している特定受給資格者の範囲には、性的な言動により就業環境が著しく害されたことによって離職した場合が挙げられています。
この区分に当たると、失業保険の給付制限がかからず、 所定給付日数が手厚くなることがあります。 被保険者期間の要件も、原則の12か月ではなく6か月で満たせる場合があります。
記録の残し方はハラスメントの証拠の残し方にまとめています。辞めてからでは作れないものが多くあります。
相談できる窓口
- ・社内の相談窓口(法律が事業主に整備を求めているものです)
- ・都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)
- ・総合労働相談コーナー(予約なし・無料)
総合労働相談コーナーの使い方と、その先の助言・指導、あっせんの手続きはこちらにまとめています。
よくある質問
セクハラについて会社に義務はありますか?
あります。男女雇用機会均等法11条1項は、事業主は、職場において行われる性的な言動に対するその雇用する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受け、又は当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならないと定めています。
妊娠・出産に関する嫌がらせも対象ですか?
対象です。同法11条の3第1項は、職場において行われるその雇用する女性労働者に対する、妊娠したこと、出産したこと、労働基準法65条1項の規定による休業を請求し又は休業をしたことその他の妊娠又は出産に関する事由に関する言動により、当該女性労働者の就業環境が害されることのないよう、事業主が雇用管理上必要な措置を講じなければならないと定めています。
相談したら不利に扱われませんか?
男女雇用機会均等法11条2項は、事業主は、労働者が前項の相談を行つたこと又は事業主による当該相談への対応に協力した際に事実を述べたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならないと定めています。相談した本人だけでなく、調査に協力して事実を述べた人も対象に含まれています。
これが理由で辞めた場合、離職理由はどうなりますか?
ハローワークが公表している特定受給資格者の範囲には、性的な言動により就業環境が著しく害されたことによって離職した場合が挙げられています。この区分に当たると、失業保険の給付制限がかからず所定給付日数が手厚くなることがあります。判断の材料になるのは記録なので、在職中のうちに残しておいてください。