ハラスメントで辞めるときの離職理由
ハラスメントが理由で辞めたのに、離職票には「一身上の都合」と書かれている。 これは珍しいことではありません。ただし離職理由を判定するのは会社ではなくハローワークです。 会社の記載がそのまま確定するわけではありません。
このページは特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要(ハローワーク)と労働施策総合推進法30条の2に基づいています。個別の事案がどう判定されるかは事情によるため、 断定はできません。
公式の範囲に挙げられている項目
ハローワークが公表している特定受給資格者の範囲には、次の記載があります。
嫌がらせ
上司、同僚等からの故意の排斥又は著しい冷遇若しくは嫌がらせを受けたことによって離職した者
性的な言動
性的な言動により就業環境が著しく害されたことによって離職した場合
退職の勧奨
事業主から直接若しくは間接に退職するよう勧奨を受けたことにより離職した者
この区分に当たると、失業保険の給付制限がかからず、 所定給付日数が手厚くなることがあります。 被保険者期間の要件も、原則の12か月ではなく6か月で満たせる場合があります。 金額にすると数十万円の差になりうる違いです。
判定するのはハローワーク
離職票は会社が作成しますが、そこに書かれた理由がそのまま確定するわけではありません。 離職票には離職者本人が記入する欄があり、 事業主の主張と異なる場合はその旨を記載できます。 ハローワークが双方の主張と資料をもとに調査のうえ判定します。
手順は離職理由に納得できないときにまとめています。会社に言い出しづらくても、ハローワークには伝えられます。
在職中にやっておくこと
記録を残す
いつ・どこで・誰が・何をしたか。その日のうちに書いたメモが最も強い記録になります。やり取りが残るメールやチャットも保存します。
相談した事実を作る
社内の相談窓口、上司、産業医、総合労働相談コーナーのいずれでも構いません。相談した日付と相手を控えておきます。
体調に出ているなら受診する
診断書は状態を客観的に示す資料になります。心身の状況による離職として特定理由離職者に当たる可能性もあります。
退職届の書き方を決める
ハラスメントが理由であることを明記するか、一身上の都合とするか。在職中の関係も踏まえて判断します。
具体的な残し方はハラスメントの証拠の残し方にまとめています。
退職届にどう書くか
退職届の文言だけで離職理由が決まるわけではありませんが、 会社が離職票を作成する際の材料にはなります。 ハラスメントが理由であることを残しておきたい場合は、 その旨を書くという選択肢があります。
一方で、在職中の関係に影響することもあります。書かない場合でも、記録さえ残しておけばハローワークで説明できます。どちらが自分にとって現実的かで判断してください。
会社都合として扱われる場合の書き方は会社都合の退職届の書き方にまとめています。
よくある質問
ハラスメントで辞めると会社都合になりますか?
当たる可能性があります。ハローワークが公表している特定受給資格者の範囲には、上司、同僚等からの故意の排斥又は著しい冷遇若しくは嫌がらせを受けたことによって離職した者が挙げられています。また性的な言動により就業環境が著しく害されたことによって離職した場合も挙げられています。ただし最終的な判定を行うのはハローワークなので、結論を保証するものではありません。
退職届に「一身上の都合」と書いたら不利になりますか?
退職届の文言だけで離職理由が決まるわけではありませんが、会社が離職票を作成する際の材料にはなります。ハラスメントが理由であることを明確にしておきたい場合は、退職届にその旨を書くという選択肢があります。ただし在職中の関係に影響することもあるため、書くかどうかは状況を見て判断してください。書かない場合でも、記録を残しておけばハローワークで説明できます。
離職票の記載に納得できません
異議を申し立てることができます。離職票には離職理由について離職者本人が記入する欄があり、事業主の主張と異なる場合はその旨を記載できます。ハローワークが双方の主張と資料をもとに調査のうえ判定します。会社が書いた内容がそのまま確定するわけではありません。
在職中に何をしておけばよいですか?
記録を残すことです。いつ・どこで・誰が・何をしたかを、その日のうちに書いたメモ。やり取りが残っているメールやチャット。相談した相手と日付。体調に影響が出ているなら診断書。これらは辞めてからでは作れません。社内の相談窓口や総合労働相談コーナーに相談した事実も、会社が対応したかどうかを示す材料になります。