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残業・労働時間が退職理由のとき

労働時間や休日を理由に辞めた場合、面接では 「働きたくないと思われるのではないか」という懸念から言い方に迷いがちです。 しかしこの理由は女性の転職理由で最も多く、前年からの上昇幅も最大でした。 法律上の上限と自分の実態を照らし合わせれば、感想ではなく事実として説明できます。

このページで参照している公式情報・法令

労働時間を理由に辞めた人の割合

年齢階級
19歳以下12.53.9
20〜24歳11.313.6
25〜29歳9.815.2
30〜34歳10.913.3
35〜39歳13.515.0
40〜44歳7.612.3
45〜49歳8.315.3
50〜54歳8.711.2
55〜59歳5.99.2
8.612.8

出典:厚生労働省「令和6年雇用動向調査」表5「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」(単位:%)

女性は45〜49歳の15.3%、25〜29歳の15.2%、35〜39歳の15.0%が高くなっています。 男性は35〜39歳の13.5%が最も高い水準です。

法律上の労働時間の上限

労働基準法32条は、使用者は労働者に休憩時間を除き 1週間について40時間、1日について8時間を超えて労働させてはならないと定めています。 これを超えて働かせるには、36条に基づく労使協定(36協定)の締結と届出が必要です。

項目上限
法定労働時間(労基法32条)1週40時間・1日8時間
時間外労働の限度時間(36条4項)1か月45時間・1年360時間
特別条項がある場合の1か月(36条5項・6項2号)休日労働を含め100時間未満
特別条項がある場合の1年(36条5項)720時間以内
月45時間を超えられる月数(36条5項)1年について6か月以内
複数月の平均(36条6項3号)2〜6か月の平均で1か月あたり80時間以内

対象期間として3か月を超える期間を定めて1年単位の変形労働時間制により 労働させる場合の限度時間は、1か月42時間・1年320時間です。

特別条項は「通常予見することのできない業務量の大幅な増加等に伴い 臨時的に限度時間を超えて労働させる必要がある場合」に限られます。 恒常的に月45時間を超える状態が続いていたのであれば、それは想定された運用ではありません

自分の状況を数字で把握する

面接で説明する前に、自分の労働時間が実際にどの水準だったかを確認しておくと、 話が具体的になります。

  • 給与明細の時間外労働時間の記載(月ごとの推移)
  • タイムカードや勤怠システムの記録
  • 36協定の内容(就業規則とともに周知されているはずのもの)

「残業が多かった」ではなく「時間外労働が月に平均60時間程度で、 繁忙期は80時間を超える月もあった」と言えれば、 聞き手は法律上の限度時間と比較して状況を理解できます。

面接での伝え方

事実に加えて、その状況で何が難しかったのかどういう働き方を想定しているのかを続けると、意欲の問題ではないことが伝わります。

感想で終わっている例

「残業が多く、体力的に厳しかったため退職しました」

事実と次の希望まで述べた例

「時間外労働が月平均60時間程度で、繁忙期は80時間を超える月もありました。 納期に追われて、担当していた業務の改善に手をつける余裕がない状態が続いていました。 業務量が計画的に配分される環境で、改善まで含めて担当領域を持ちたいと考えています」

全体の組み立て方は面接での退職理由の伝え方をご覧ください。

応募先の労働時間を確認する

同じ理由で辞めることを避けるには、応募先の実態を確認する必要があります。 求人票の記載に加えて、面接で配属予定部署の実際の時間外労働について質問してください。

2024年4月から、労働者の募集や求人の申込みの際に明示すべき労働条件が追加され、 就業場所・業務の「変更の範囲」も明示事項になりました。 将来の配置転換の見込みまで含めた範囲が示されるため、 部署によって労働時間が大きく異なる会社では特に確認する意味があります。

固定残業代(みなし残業代)が含まれる場合は、何時間分が含まれているかと、 それを超えた分が別途支払われるかを必ず確認してください。

よくある質問

Q. 未払いの残業代がある場合はどうすればよいですか?

退職後でも請求できます。証拠となる勤怠記録や給与明細を保管したうえで、 労働基準監督署や都道府県労働局の総合労働相談コーナーに相談してください。 面接の場は請求の場ではないため、この話は分けて進めるのが現実的です。

Q. 長時間労働が原因で体調を崩した場合はどう説明しますか?

現在の就業に支障がないのであれば、回復していることを含めて事実を述べれば足ります。 体調不良を理由とする退職の扱いは体調不良で退職する場合の退職届の書き方、傷病手当金については退職後の傷病手当金で解説しています。

Q. 労働時間を理由に辞めると失業保険で不利になりますか?

離職理由の判断はハローワークが行います。 一定期間に一定時間を超える時間外労働があったことによる離職は、 特定受給資格者等として扱われる場合があります。 離職票の離職理由に異議があるときはハローワークに申し出てください。

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