船員の退職後の手続きは、陸上の労働者とは制度が違う部分があります。
医療保険(船員保険)
船員は船員保険に加入しているのが通常です。健康保険とは別の制度です。
退職後の選択肢(任意継続に相当する制度の有無、期限、保険料)は、全国健康保険協会(船員保険部)に確認してください。
陸上の健康保険の情報(「退職日の翌日から20日以内に任意継続の申出」など)をそのまま当てはめないでください。制度が異なります。
選択肢の考え方
- 船員保険の資格を継続できる制度があるか
- 国民健康保険に加入する
- 家族の被扶養者になる
- 転職先の健康保険に加入する
額を比べてから決めてください。
年金
次の就職まで期間が空く場合、国民年金への切り替えが必要になることがあります。市区町村の窓口で手続きします。
納付が難しい場合は免除や納付猶予の制度があります。未納のまま放置すると将来の年金額に影響します。
失業給付
船員の失業給付については、手続きの窓口を確認してください。ハローワークで扱う場合と、船員の職業紹介を扱う窓口が関わる場合があります。
船員法上の失業手当(45条)・雇止手当(46条)は、これとは別の制度です。船舶所有者が支払うもので、雇用保険の給付ではありません。
- 失業手当(船員法45条): 39条により雇入契約が終了したとき(船舶の沈没・滅失など)、その翌日から2か月の範囲内で、失業日数に応じ給料の額と同額
- 雇止手当(船員法46条): 一定の事由に該当する場合、1か月分の給料の額と同額
自分がこれらの対象になるかを、会社と地方運輸局に確認してください。
未消化の有給休暇の支払い
船員法78条2項により、有給休暇を与えられる前に退職したときは、与うべき日数に応じた給料・手当・食費が支払われます。
支払われているかを確認してください。これは法律上の義務です。
住民税
退職の時期によって扱いが変わります。
- 1月から5月に退職 → 5月分までが最後の給与から一括徴収されるのが原則
- 6月から12月に退職 → 一括徴収を選ぶか、自分で納付するかを選べる
確定申告
年内に再就職しない場合、翌年に自分で確定申告をします。源泉徴収票などを保管しておいてください。
海技免状の維持
有効期限を確認してください。乗船から離れると更新の要件を満たせなくなることがあります。
- 免状の種類と有効期限
- 更新の要件(乗船履歴、講習、身体検査)
- 手続きの窓口(地方運輸局)
在職中は会社が講習を手配していた場合、退職後は自己負担になります。
船員手帳の保管
乗船履歴が記録された書類です。次の就職で必要になります。紛失しないよう保管してください。
相談先
- 地方運輸局の船員労務官(船員法に関すること)
- 全国健康保険協会 船員保険部(船員保険に関すること)
- 市区町村の窓口(国民年金、国民健康保険)