有給休暇は法律上の権利

私立幼稚園の教諭は、労働基準法39条の適用を受けます。雇入れの日から6か月継続勤務し、全労働日の8割以上出勤していれば年次有給休暇が与えられます。

公立幼稚園の教諭は地方公務員のため、各自治体の条例・規則で定められています。

長期休業期間の扱い

幼稚園には夏休み・冬休み・春休みがありますが、教諭にとってこれは休みではありません。預かり保育、研修、次年度の準備、環境整備などの業務があります。

長期休業期間が所定労働日であれば、その日に有給を取ることができます。逆に、園が休園日として定めている日は、もともと労働日ではないため有給を使う必要がありません。

自分の園の年間カレンダーで、どの日が所定労働日かを確認してください。

年5日の取得義務

年10日以上の有給が与えられる労働者については、そのうち年5日は使用者が時季を指定してでも取得させなければならないとされています。これは使用者側の義務です。

「幼稚園には有給を取る文化がない」という状態が続いているなら、義務が果たされていない可能性があります。

使用者は時季をずらすことしかできない

労働基準法39条5項ただし書
ただし、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる。

退職日が確定していてその後に「他の時季」がない場合、時季変更権を行使する先がありません。

退職前の進め方

年度末退職の場合、3月は修了式・要録の作成・次年度の準備が重なります。

  • 退職日を決めた時点で、有給の残日数を確認する
  • 消化は2月までに終える計画にする
  • 「最終出勤日」と「退職日」を分けて設計する
  • 要録の作成など、自分にしかできない業務を先に終わらせる

買い取りについて

有給の買い取りは原則として認められていませんが、退職により消滅する分について園が任意で手当を支払うことは可能とされています。義務ではないため、規程になければ交渉事です。

残日数が分からないとき

給与明細に記載がなければ、事務担当に照会してください。私立幼稚園では管理台帳が整備されていないことがあります。入職日と、これまで有給として処理された休みを自分で整理しておくと、突き合わせが早く済みます。