葬祭業は勤務時間が変則的で、労働時間の管理が曖昧になりやすい業種です。

労働時間にあたる可能性が高いもの

労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいいます。

  • 事業所での待機(手待時間) — 依頼が入ればすぐ対応する状態は労働時間です
  • 搬送のための移動時間 — 業務としての移動は労働時間にあたります
  • 設営・撤去の作業時間
  • 打ち合わせの準備・見積作成
  • 朝礼・ミーティング
  • 研修

深夜割増と休日割増

  • 深夜労働(午後10時〜午前5時): 割増賃金が必要です
  • 法定休日の労働: 割増賃金が必要です
  • 時間外労働: 法定労働時間を超える部分に割増賃金が必要です

深夜の搬送が常態化している場合、深夜割増が正しく計算されているかを確認してください。

宿直の扱い

労働基準監督署長の許可を受けた宿直・日直については、労働時間等の規定が適用されない扱いがあります。

ただし次の点に注意が必要です。

  • 許可を受けていない場合、通常の労働時間として扱われるべきです
  • 宿直中に搬送や打ち合わせなど通常の業務を行った場合、その時間は通常の労働時間です

確認する資料

  • 給与明細(基本給、各種手当、割増賃金の内訳)
  • タイムカード・勤怠記録
  • シフト表・当番表
  • 出動の記録(日報、運行記録)
  • 就業規則・賃金規程

在職中に写しを取ってください。退職後は入手が困難になります。

請求する場合

  1. 1 資料を集めて、実際の労働時間と支払われた賃金を突き合わせる
  2. 2 会社に説明を求める
  3. 3 解決しない場合は労働基準監督署に相談する

金額が大きく話し合いで解決しない場合は、弁護士への相談も選択肢です。

退職代行を使う場合の注意

未払い賃金の請求は法律事務にあたるため、民間業者の退職代行では扱えません。労働組合は団体交渉の議題にできますが、訴訟が必要になる場合は弁護士が必要です。

未払い賃金を請求する予定があるなら、依頼先を選ぶ段階で伝えてください

時効に注意

賃金請求権には時効があります。気づいた時点で早めに相談してください。