葬祭業は地域に根ざした仕事です。辞めた後も地元で暮らす場合、関係の残り方が気になるのは自然なことです。
辞めにくさの正体を分ける
悩みを分けて整理すると、対処できるものとできないものが見えてきます。
| 悩み | 対処 |
|---|---|
| 会社に迷惑がかかる | 引き継ぎ資料で対応できる |
| 遺族・契約者に申し訳ない | 会社から連絡してもらう |
| 地元で噂になる | コントロールできない |
| 同業に転職しづらい | 競業避止の条項を確認する |
コントロールできないことは、判断の材料から外してください。
同業への転職を考える場合
雇用契約書・誓約書に次の条項がないか確認します。
- 競業避止義務: 退職後、一定期間・一定地域で同業の仕事をしないという取り決め
- 顧客の勧誘禁止: 契約者や取引先を勧誘しない義務
- 秘密保持義務: 顧客情報・取引条件を外部に持ち出さない義務
競業避止義務の定めがあっても、その内容が無制限に有効とは限りません。職業選択の自由との関係で、期間・地域・職種の範囲が合理的かどうかが問題になります。ただし有効性の判断は個別の事情によるため、同業への転職を予定していて条項がある場合は弁護士に相談するのが確実です。
顧客の引き抜きは避ける
- 在職中に契約者の連絡先を個人的に控える
- 退職の際に「今後は◯◯社にいます」と伝える
- 転職先の名刺を渡す
これらは避けてください。契約者の情報は会社の顧客情報であり、個人が持ち出してよいものではありません。
円満に辞めるためにできること
- 退職の意思は早めに、直接伝える
- 引き継ぎ資料を丁寧に作る
- 担当中の施行は最後まで責任を持つ
- 退職の理由を周囲に触れ回らない
やるべきことをやったうえで辞めれば、後ろめたさは残りません。
それでも辞めたい理由がある場合
深夜対応の負担、休日が取れない、心身の不調といった理由は、本人の努力で解決できるものではありません。地域の目を理由に無理を続けると、健康を損ないます。
辞めることは、その職場の働き方が自分に合わなかったというだけのことです。