財形貯蓄は退職するとどうなるか
財形貯蓄は勤務先を通じて給与天引きで積み立てる制度です。 そのため退職すると、そのままの形では続きません。 放置すると非課税の扱いを失うことがあるため、 退職前に自分がどの種類に加入しているかを確認しておく必要があります。
このページは厚生労働省「財形貯蓄制度」と、国税庁「No.1316 財形住宅貯蓄」「No.1319 財形年金貯蓄」の記載に基づいています。
まず種類を確認する
一般財形貯蓄
- 使い道
- 使い道は自由
- 税の扱い
- 利子等に対する非課税措置はありません
財形住宅貯蓄
- 使い道
- 住宅の取得等
- 税の扱い
- 財形年金貯蓄とあわせて元利合計550万円まで非課税。契約締結時に55歳未満であることなどの要件があります
財形年金貯蓄
- 使い道
- 60歳以降の年金として受け取る
- 税の扱い
- 財形住宅貯蓄とあわせて元利合計550万円まで非課税(保険等に係るものは払込ベース385万円)
住宅と年金の2つは非課税の枠を共有しています。 両方に加入している場合、あわせて元利合計550万円が上限です。
転職先で続けるための手続き
厚生労働省は、転職や出向によって勤務先が変わった場合について次のように説明しています。
転職先に財形貯蓄制度がある場合
新たな勤務先で所定の手続(「勤務先異動申告書」の提出など)を行うことで、引き続き継続することができます。
転職先で同一金融機関の取扱いがない場合
退職等の日から2年以内に別の金融機関に預け替えて、積立を継続することができます。
期限は退職等の日から2年以内です。 退職してすぐ動く必要はありませんが、転職先が決まった時点で 財形制度の有無と取扱金融機関を確認しておくと、期限に追われずに済みます。
目的外で払い出すと5年さかのぼって課税される
国税庁は財形住宅貯蓄について、住宅の取得等以外の目的で払い出した場合、原則として5年間さかのぼって課税されると説明しています。 ただし平成28年4月1日以後の災害等一定の事情による払出しについては、 さかのぼって課税しない特例があります。
転職先に財形制度がなく継続できない場合は、この扱いを踏まえて判断することになります。 積み立てている金融機関に、自分のケースでどうなるかを確認してください。
退職前に確認しておくこと
- ・加入しているのは一般財形・財形住宅・財形年金のどれか
- ・取扱金融機関はどこか
- ・現在の残高と、非課税の枠をどれだけ使っているか
- ・転職先に財形制度があるか(内定後に確認できます)
- ・継続する場合の手続き書類は誰が用意するのか
会社の制度で退職時に整理が必要なものは、財形貯蓄のほかに企業年金があります。 企業型確定拠出年金は放置すると自動移換されるため、こちらも期限があります。企業型DCは退職後6か月以内に移換をを参照してください。
よくある質問
退職したら財形貯蓄はどうなりますか?
財形貯蓄は勤務先を通じた給与天引きで積み立てる制度なので、退職するとその勤務先での積立は止まります。転職や出向で勤務先が変わった場合、新しい勤務先に財形貯蓄制度が導入されていれば、勤務先異動申告書の提出などの手続きにより引き続き継続できます。新しい勤務先で同一金融機関の取扱いがない場合も、退職等の日から2年以内なら別の金融機関に預け替えて積立を継続できます。
転職先に財形制度がない場合はどうなりますか?
積立を継続する前提が失われるため、非課税措置を維持したまま続けることはできません。この場合は払出しを検討することになります。財形住宅貯蓄や財形年金貯蓄を目的以外で払い出すと、原則として5年間さかのぼって課税されます。手続きの期限や具体的な扱いは、積み立てている金融機関に早めに確認してください。
非課税になるのはいくらまでですか?
財形年金貯蓄と財形住宅貯蓄をあわせて元利合計550万円までの利子等が非課税とされます。財形年金貯蓄のみで、生命保険や損害保険の保険料、生命共済の共済掛金、簡易保険の掛金等に係るものは、払込ベースで385万円が限度です。なお一般財形貯蓄には、この非課税措置はありません。
目的以外で引き出すとどうなりますか?
国税庁は、財形住宅貯蓄を住宅の取得等以外の目的で払い出した場合、原則として5年間さかのぼって課税されると説明しています。ただし平成28年4月1日以後の災害等一定の事情による払出しについては、さかのぼって課税しない特例があります。財形年金貯蓄についても同様に、年金以外の目的で払い出した場合の扱いが定められています。