動物病院は入職前のイメージと実際の業務の差が大きい職場です。早い段階で合わないと感じることは珍しくありません。
試用期間中でも退職できる
試用期間は「解約権が留保された労働契約」であり、労働契約はすでに成立しています。したがって、期間の定めのない雇用契約であれば民法627条1項により、解約の申入れから2週間の経過で退職できます。
「試用期間中は辞められない」ということはありません。
早めに伝える
合わないと感じているなら、早めに伝える方が双方にとって良い結果になります。
- 病院は次の採用を早く始められる
- 自分も次の仕事を早く探せる
- 中途半端に続けるより教育コストの無駄が少ない
よくあるギャップ
- 動物と接する時間より、清掃・受付・事務の時間が長い
- 動物の死に立ち会う頻度が想像より高い
- 保定や持ち上げの身体的負担が大きい
- 夜間対応や休日出勤が想定より多い
- 飼い主対応の精神的負担が大きい
これらは適性の問題であり、努力不足ではありません。
研修費用の返還を求められたら
入職時の研修費用を病院が負担していた場合、返還を求められることがあります。
労働基準法16条は、労働契約の不履行について違約金を定めたり損害賠償額を予定したりする契約を禁止しています。ただし費用の返還請求が常に無効というわけではなく、貸付としての合意が明確にあるかなど個別の事情によります。
署名した書面を確認してください。
履歴書への影響を気にしすぎない
短期間で退職したことを気にする方は多いですが、次の点を押さえておけば説明できます。
- 業務内容が事前の説明と異なっていた
- 夜間対応が想定より多く、健康の維持が難しかった
- 自分の適性を考えた結果
事実として述べれば問題になりません。無理に続けて体調を崩す方が、その後の職業生活に影響します。
雇用保険・社会保険の手続き
短期間でも、加入していれば手続きが必要です。給与明細を見て、雇用保険料・健康保険料・厚生年金保険料の控除があるか確認してください。
失業保険については、自己都合退職の場合、原則として離職前2年間に被保険者期間が12か月以上必要です。短期間の勤務では受給要件を満たさない可能性があります。
個人経営の病院での確認点
- 労働条件通知書が交付されているか
- 社会保険に加入しているか(常時5人未満の個人事業所では強制適用でない場合があります)
- 就業規則があるか(常時10人未満の事業場には作成義務がありません)
入職時に条件が書面で示されていない場合、まずそこを確認してください。