入院動物の管理や夜間の急患対応は、動物病院で働く人の負担として大きなものです。

待機時間は労働時間にあたるか

労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいいます。

病院に待機し、急患が来ればすぐ対応しなければならない状態(手待時間)は、労働時間にあたります。実際に処置をしていない時間でも、自由に過ごせない拘束状態であれば労働時間です。

一方、自宅で待機し、呼び出しがあれば出勤するという形態については、拘束の程度によって扱いが変わります。判断が難しい部分なので、疑問があれば労働基準監督署に相談してください。

宿直の許可制度

労働基準法41条3号に関連して、監視・断続的労働で労働基準監督署長の許可を受けた場合、労働時間・休憩・休日の規定が適用されない扱いがあります。

ただし次の点に注意が必要です。

  • 許可を受けていない状態で宿直手当のみを支払い、割増賃金を支払っていない場合は問題になりえます
  • 宿直中に通常の診療(処置・手術・急患対応)を行った場合、その時間は通常の労働時間です

入院動物の点滴管理や経過観察を継続的に行っている場合、それは「断続的労働」とは言いにくくなります。

確認しておくこと

  • 待機の時間が労働時間として記録されているか
  • 深夜(午後10時〜午前5時)の割増賃金が支払われているか
  • 呼び出しで出勤した時間が労働時間に算入されているか
  • 宿直の許可を受けているか

給与明細とシフト表、実際の対応記録を突き合わせてください

未払いが疑われる場合

在職中に次の資料を手元に残してください。

  • タイムカード・勤怠記録の写し
  • シフト表・当番表
  • 夜間対応の記録(カルテの記載時刻など)
  • 給与明細
  • 就業規則・賃金規程

相談先は労働基準監督署です。

体調に影響が出ている場合

睡眠が分断される生活が続くと心身に不調が出ます。医療機関を受診してください。診断書があれば、勤務体制の見直しを求める根拠になり、退職する場合も失業保険の手続きで特定理由離職者に該当する可能性があります。

退職を選ぶ場合

退職届の理由は「一身上の都合」または「体調不良により業務の継続が困難となりましたので」と書きます。

夜間対応の負担は、本人の努力で解決できる問題ではありません。人員体制の問題であり、改善を求めても変わらないなら退職は正当な選択です。